2023.11.21:「シモン・ボッカネグラ」
《過去のシーズン公演》:
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*
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2024.1.31:「エウゲニ・オネーギン」
14世紀のジェノヴァ共和国を舞台とし、史実の人物を題材としているヴェルディのこのオペラは、METライブ等で
何度か観てはいたが、今回初めて実演に接することができた(個人的な都合でプロローグと第一幕のみ)。
コロナ、妻の介護等のため、ここ数年は、オペラ・コンサートに出かける機会が激減したが、
「エウゲニ・オネーギン」は、個人的には、モーツアルトの2~3のオペラと共にベスト5
に入れたいお気に入りオペラであり、また妻の気分転換になるかとも思い、2人で出か
けたが、やはり長時間のオペラは無理だったようで、二幕のレンスキーのアリア及び第3幕の
グレーミン公爵の名アリアが聴けなかったのは残念であったが、廻りの観客への迷惑発生をおそれて、途中退出(休憩時)した。
(2023.10.1~9:「修道女アンジェリカ/子どもと魔法」)
2023.11.21:「シモン・ボッカネグラ」
今公演(フィンランド国立歌劇場との共同制作)の ピエール・オーディ演出(美術:アニッシュ・カプーア)による舞台は、
バリトンに戻ってドミンゴがシモンを歌った2010年のMETライブのような写実的な中世の風景ではなく、コントラストの強い
赤黒白を基調とした抽象的ながら壮大なものであったが、複雑な心理描写を伴うこのオペラにはなかなか効果的に思えた。
このオペラは、ポピュラーなアリアがすくなく、ストリーも複雑なため地味な印象のあるが、今回初めて実演に接し。大野和士
名指揮、東京フィルの名演奏もあり、管弦楽の素晴らしさを再認識した。
歌手陣も先日の「リゴレット」を好演し、
今回も題名役を歌ったロベルト・フロンターリ(Br)
をはじめ、アメーリア役のイリーナ・ルング(S)、
ヤコポ・フィエスコ役のリッカルド・ザネッラート(Bs)、
ガブリエーレ・アドルノ役のルチアーノ・ガンチ(T)、
パオロ・アルビアーニ役のシモーネ・アルベルギー(BsBr)
の主役級の5人は、いずれも立派な声をもち、それぞれ好演ではあったが、やはり今公演で脇役だった村上敏明(T)
や須藤慎吾(Br)等の実力のある邦人歌手を1~2名は主役級に入れてほしかった。(2023.11.24 記)
2024.1.31:「エウゲニ・オネーギン」
前回(2019年)と同じドミトリー・ベルトマンによる今公演の演出は、正統的かつ豪華ななもので
当時のロシア貴族の生活が実感できた。
一方、歌手陣ではロシア及びウクライナ出身
の5人は、いずれも新国初登場であったが、聴いた範囲では、オネーギンを歌った
ユーリ・ユルチェク(Br)
及びレンスキーを歌った
ヴィクトル・アンティペンコ(T)の美声が印象に残った。タチャーナを歌った
エカテリーナ・シウリーナ(S)
は、きれいな声の持ち主ではあるが、声量的なこともあり、前回のエフゲニア・ムラーヴェワと比べても
少々物足りなかった。
管弦楽は、ヴァレンティン・ ウリューピン指揮下の東京交響楽団。(2024.2.2 記)