(17) 2012/2013シーズン公演(最終更新日:2013.8.4)-------- (大部分の画像は、クリックすると大きくなります)

2012.9.02:「終わらない夏の王国」
2012.9.08:「夢遊病の女」
2012.10.08:「ピーター・グライムズ」
2012.11.14:「トスカ」
2012.12.5:「セビリアの理髪師」
2013.2.2:「天守物語」
2013.2.3:「愛の妙薬」
2013.2.5:「タンホイザー」
2013.2.11:「ロビンソン・クルーソー」
2013.3.3:「カルディヤック」
2013.3.14:「アイーダ」
2013.4.17:「魔 笛」
2013.5.25:「ナブッコ」
2013.6.26:「夜叉ヶ池」
2013.7.12:「三文オペラ」
2013.7.16:「愛の妙薬」
2013.7.27:「ラ・フィアンマ」
2013.7.28:「魔笛(短縮版)」
2013.8.3:「ホフマン物語」


《過去のシーズン公演》:  1999/2000 * 2000/2001 * 2001/2002 * 2002/2003 * 2003/2004 * 2004/2005 * 2005/2006 * 2006/2007 * 2007/2008 * 2008/2009 * 2009/2010 * 2010/2011 * 2011/2012

2012.9.2:「終わらない夏の王国」

国立オペラ・カンパニー 青いサカナ団による神田慶一作曲(原作、脚本、演出)の「終わらない夏の王国」 が小劇場で上演された。このオペラは、2009年に金沢市の委嘱で作曲された「児童オペラ」を作曲者自身が手を入れて、「スタンダード版」 としたとのことである。このオペラは、「お菓子の家」を「夏の王国」に置き換えた現代日本版の「ヘンゼルとグレーテル」である。 ここ数年間、毎年神田の新作オペラをみているが、物語の展開が、凡人の想像を超え、奇抜で面白くいつも驚かされてきた。 しかし、音楽は、むしろ保守的で、耳あたりの良い優しい響きを持っている。このオペラの音楽も同様であり、第一幕の児童の合唱や オルゴールのメロディーなどが印象に残ったが、ややマンネリの感もぬぐえない。今後、楽器編成を含めて従来の殻を破った 新鮮な音の創出を期待したい。 一方、歌手には児童を含め多くの出演者があったが、プロ歌手では青山光彦役の秋谷直之(T)及びブラッティ役の三塚 至(Br)の、 豊かな美声が際立っていた。エリザベス役の菊地美奈及び赤坂奈緒美役の蔵野蘭子も、容姿も含めて適役であった。 しかし、一流のプロ歌手と比較するのは、酷であるが、多数出演した児童の声が、合唱の場面を除き、全般的に響かず、小編成のオケ にすら埋もれてしまう場面が多かった。オケを部分的に弦のソロにでもすれば声が通ったかもしれない。また、高校生役の赤坂零役には、小柄なプロ歌手を 使ってほしかった。管弦楽は、神田慶一指揮下の Orchestre du poisson bleu.(2012.9.3 記)

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2012.9.8:「夢遊病の女」

藤原歌劇団主催により、 ベッリーニ作曲の 「夢遊病の女」が貸劇場公演として上演された。 このオペラは、新国立劇場では、2005年に「昭和音楽大学オペラ公演」として上演されたが、この公演では、 歌にはかなりの不満が残る一方、舞台装置の美しさが大変印象に残った。今公演で、幕が上がると、そこには昭和音大公演と同じ アルプスを背景にしたスイスの美しい山村風景が現れたのには少々驚いた。帰宅後、調べてみると演出家は異なる(前回:馬場紀雄、今回:岩田 達宗)ものの、美術は両公演とも川口直次であった。オペラ演出家は、簡単な絵コンテくらいは描いて美術担当に渡すものかと思い込んでいたが、 丸投げすることもあるようだ。いずれにせよ目を楽しませてくれる見事な舞台装置であった。稽古場でのリハーサル風景という設定にした2009年のMET 公演の様な斬新な演出よりは、このオペラにはやはり写実的な田園風景が似合う。
一方、歌手は、第一線の歌手を集めただけに、きわめてレベルが高く、名演であった。特に、アミーナを歌った 高橋薫子(S)とロドルフォ伯爵を歌った妻屋秀和(Bs)は感動的な名唱であった。また、 エルヴィーノ役の小山陽二郎(T)は朴訥な田舎青年を、森山京子(Ms)は やさしい義母役テレーザを好演した。しかし、リーザ役を歌った関真理子は、もう少しソプラノらしい声の透明感が欲しかった。 管弦楽は、園田隆一郎指揮下の東京フィルハーモニー交響楽団。なお、この日の公演は、NHKが収録していたようなので、放映時には、 ぜひBDに録画して保存したい。(2012.9.9 記)


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2012.10.08:「ピーター・グライムズ」

来年、生誕100周年を迎える英国の作曲家 ベンジャミン ブリテンのオペラは、新国立劇場(小・中劇場)でもこれまでに3作(「ねじの回転」「ヴェニスに死す」「アルバート・ヘリング」) が上演されているが、今回やっと彼の代表作である 「ピーターグライムス」が上演された。 イギリス東海岸の漁村を舞台に、孤独な漁師ピーター・グライムズが徒弟の少年殺害の疑惑を村人たちからかけられ、追い詰められていくという 陰鬱な物語であるが、演劇的な要素が強く、音楽的にもダイナミックな作品である。 ウィリー・デッカーの演出による今公演の舞台は、モノトーンに近い色調に統一され、ドラマの進行を助けてはいたが、酒場「ぼーあ亭」やグライムズの 小屋などが余りにも簡略化されており、殺風景で少々物足りなかった。また、ザルツブルグ(2005年)及びMET(2012年)で上演され、好評を博したデッカー演出の 「ラ・トラビアータ」の映像を観た際にも感じたが、わざとらしい群衆の動きには、かなりの違和感を持った。 一方、歌手陣は、英語圏からの4人のスペシャリスト(いずれも新国立劇場初登場)が素晴らしく、きわめて高水準の演奏であった。特に、グライムズ役の スチュアート・スケルトンは、新進のヘルデン・テノールとして欧米で大活躍中とのことであるが、強靭な超美声を駆使して、理想的なグライムズを歌い演じた。 また、女教師エレンを歌ったスーザン・グリットン(S)は、響きの暖かい美声の持ち主で、適役であり、好演であった。バルストロード船長役のジョナサン・サマーズ(Br)及び酒場の女主人 アーンティ役のキャサリン・ウィン=ロジャース(Ms)も適材適所で好演であった。 管弦楽は、リチャード・アームストロング指揮下の東京フィルハーモニー交響楽団。なお、余聞ながら、ブリテンと昔ラジオでよく聞いた名テノールピーター・ピアーズ(T)とが同性愛の関係にあったことを公演プログラムで知り、 少々複雑な気持ちになった。(2012.10.09 記)



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2012.11.14:「トスカ」

新演出ではなく、2000年及び2009年の再演ではあったが、 新国立劇場でもアイーダ等での名唱が記憶に残るノルマ・ファンティーニ(S)のトスカを聴きたくて出かけた。 豊麗な声と抜群の容姿をもつ彼女は、まさに適役で、期待通り素晴らしかったが、共演歌手も皆素晴らしかった。 カヴァラドッシを歌ったニュージーランド出身で新国初登場のサイモン・オニールは、 デビュー当初 METでプラシド・ドミンゴのカヴァーをつとめていたとのことであるが、強靭な美声と優れた歌唱力を持つ新進のテノールである。欧米で「ワルキューレ」 のジークムント役を当たり役にしているのもうなずける。スカルピアを歌った韓国出身でやはり新国初登場の センヒョン・コーは、さすが世界の大劇場で活躍しているだけに重厚で豊かな美声を持つ優れたバリトンであり、今公演でも実力を発揮した。 日本人歌手では、堂守役の志村文彦の堂々とした声が強く印象に残った。 アントネッロ・マダウ=ディアツ演出による正統的な舞台装置は、奥行きのある重厚かつ豪華なもので、上下左右に大道具を動かした 舞台変換もスムーズであり、今回も目を楽しませてもらった。 管弦楽は、沼尻竜典指揮下の東京フィルハーモニー交響楽団。(2012.11.15 記)


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2012.12.4:「セヴィリアの理髪師」

今公演は、ヨーゼフ・E ケップリンガー演出による2005年秋の公演の再演である。 回り舞台に建物を乗せ、バルトロ邸の表と室内の場をすばやく入れ替える手法は、他にも例があるが、 カラフルな室内の1階と2階を2個所のらせん階段でつないだ、手の込んだ構造になっている。また、コミカルなしぐさの通行人 や近所の住人、にぎやかな子供たちを大勢出して目を楽しませてくれた。 一方、キャストは新国立劇場初登場の3人の外人歌手を含め、適材適所であり、歌唱・演技共 十分に楽しませてもらった。 ロジーナを歌ったルーマニア出身のコロラトゥーラ・メゾソプラノの逸材ロクサーナ・コンスタンティネスクは、 優しく軽やかな声で見事な歌唱を披露した。また、オードリー・ヘプバーンを想起させるキュートな美人 でもあった。なお、ロジーナ役は、原譜通りメゾソプラノが歌ったり、アリアの部分を移調したりしてソプラノが歌ったりするが、 メゾソプラノとソプラノの歌を聴き比べるのも面白い。 アルマヴィーヴァ伯爵を歌ったブラジル出身のルシアーノ・ボテリョ(T)も 声は超美声とは言えないが、歌唱力は、抜群であった。 フィガロを歌ったスロヴァキア出身のダリボール・イェニス(Br)は、豊かで強靭な 美声を活かし、好演であった。バルトロ役のブルーノ・プラティコ(Br)は、 母国語でもあり、歌・演技とも余裕があり、やはり好演。日本人歌手では、ドン・バジリオ役の妻屋秀和(Bs)、ベルタ役の与田朝子(Ms)がいつものごとく豊かな美声 を活かして、好演。管弦楽は、カルロ・モンタナーロ指揮下の東京フィルハーモニー交響楽団。(2012.12.5 記)


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2013.2.2:「天守物語」

オペラ「天守物語」は、新国立劇場の1998/99シーズン公演 として上演されたことがあったが、今公演は、日本オペラ協会主催で 「2013都民芸術フェスティバル」参加オペラとしての上演(中劇場)であるが、特長は、主役の姫川図書之助をテノール(2/2)と バリトン(2/3)に振り分けて上演されたことである。1999年2月の公演がバリトンだったので、今回はテノールの日を選んで出かけた。 このオペラは、英題(The Tale of Himeji Castle) にあるように姫路城が物語の舞台となっている。 岩田達宗演出の舞台は、重厚とは言えないが、明るい中でそれなりの風格もあり、悪くはなかった。また、富姫、亀姫の中央からの派手な登場、見事な和服姿 は、目を楽しませてくれた。
歌手では、富姫を歌った腰越満美がなかなか良かった。 どちらかといえばクールな響きのある美声と品格のある立ち居振舞は、妖魔である天守夫人に ピッタリであった。家臣 姫川図書之助は、語り的な部分が多い役であり、通常バリトンが歌うが、この日はテノールの 中鉢 聡が歌うというので、強い興味があった。中鉢は立派に歌い演じたが、ハイバリトンの音域で歌っているので、当然ながら違和感はなかったが、 特別の長所も見いだせなかった。 しかし、美男・美女:中鉢、腰越の愛の場面はやはり絵になる。この2人に初めて接した新国小劇場でのロッセリーニの「花言葉」 のラストシーンを思い出した。亀姫役の佐藤美枝子、朱の盤坊役の豊島雄一も好演であった。
管弦楽は、山下一史指揮下のフィルハーモニア東京。(2013.2.3 記)

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2013.2.3:「愛の妙薬」

今公演は、チェーザレ・リエヴィの演出による2098/99シーズン公演再演である。 カラフルで斬新な演出は、再度見ても新鮮で感想も以下のように変わらない。すなわち リエヴィの演出は、田園風景は全く無いかなり抽象的な舞台ながら、ファンタジーに溢れた素晴らしいものである。 彼は第一幕の冒頭でアディーナが「トリスタンとイゾルデ」の物語を読むシーンにヒントを得て、演出のキーワードを「本」 としたとのことであり、舞台上には「トリスタンとイゾルデ」の巨大な本が現れ、あるときには背景となり、他の場面では  舞台横に 背表紙を見せて柱か壁のように置かれた。小道具としても、L'elisir(妙薬)の文字(アルファベット)をバラバラにした ものとともに 数冊の本を束ねた台状ものが巧みに場所・形を変えて使われたが、村人達を含めた出場者のカラフルな衣装と相俟って、十分に眼を楽 しませてくれた。 巡回薬売りのドゥルカマーラが意表をついてグラマラスな2人のキャンペーンガールを伴って自家用機で登場したの も面白かった。
一方、歌手は、皆素晴らしかったが、特に昨年の「ドン・ジョヴァンニ」でエルヴィーラを好演した米国生まれの ニコル・キャベル(S)は、今公演でも持ち前の超美声と高い歌唱力をいかんなく発揮し、アディーナを好演した。ネモリーノを歌った アントニーノ・シラグーザも2009年の「チェネレントラ」での王子ドン・ ラミーロ役同様、明るく伸びのある美声で好演。ドゥルカマーラ役のレナート・ジローラミ 立派な声と演技力で存在感十分。ベルコーレ役の成田博之、ジャンネッタ役の九嶋香奈枝も好演。
管弦楽は、ジュリアン・サレムクール指揮下の東京交響楽団。(2013.2.4 記)

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2013.2.5:「タンホイザー とヴァルトブルクの歌合戦

今公演は、2007年秋公演の再演である。ハンス=ペーター・レーマンの演出では、 長い序曲の演奏開始とともに半透明の'板'を組合わせた巨大な柱が、順次せり上がり、整列した後、 バレエの群舞が始まるという洒落たスタートであったが、第一幕冒頭のヴェーヌベルクの場は、 男女の別れの場とはいえ、寒色の照明下の雰囲気は余りにも無機的で、タンホイザーが愛の女神ヴェーヌスと歓楽にふけ る禁断の地にはそぐわないように思えたが、第二幕ヴァルトブルク城内広間での歌合戦の場は、照明を含めて豪壮な 雰囲気がよく出ていた。
一方、キャストは、理想的とまでは言えないが、かなり高水準の演奏であった。特に、重厚な声で領主ヘルマンを歌った クリスティン・ジグムンドソン、豊かな美声で端正にヴォルフラムを 歌ったヨッヘン・クプファー及びこれまで新国でもいくつかの メゾソプラノ役を好演したが、今回はソプラノ役(ヴェーヌス)で相変わらずの強靭な美声を披露した エレナ・ツィトコーワがよかった。タンホイザーを歌った スティー・アナセンは、多忙を極める人気ワグナー歌手とのことであるが、力の入れ過ぎなのか声が荒れ気味になる 場面があり、余り好きになれない。たまたま、彼が2000年にジークフリート役でMETデビューした時に聴いたが、前日の ドミンゴの素晴らしいジークムントを聴いた後だったせいもあり、当時も好印象は持てなかった。エリーザベトを歌った ミーガン・ミラーも豊かな美声と優れた歌唱力を持ち、 容姿も良いが、声の響きが今一で、一昨日「愛の妙薬」で聴いたニコル・キャベルのような超美声とは言えない。 今公演では、日本人歌手が5名(望月哲也、小森輝彦、 鈴木 准、斉木健詞、国光ともこ)出演したが、いずれも脇役 であり残念であった。斉木のヘルマン、小森のヴォルフラムを聴いてみたいとも思った。しかし総体的には、合唱や管弦楽 (コンスタンティン・トリンクス指揮下の東京交響楽団)に響きも良く、ワグナーの名作を堪能することができた。(2013.2.6 記)

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2013.2.11:「ロビンソン・クルーソー」

J.オッフェンバック作曲のオペラ(オペレッタ)「 ロビンソン・クルーソー」の日本初演(仏語)が、 毎年隠れた名作を上演してくれる東京オペラ・プロデュース の主催(第91回定期公演)により中劇場で日本初演された。 ダニエル・デフォーによる原作は、余りにも有名であるが、オペラ化されていたことは今回初めて知った。このオペレッタは、1867年に初演され、評判が良かったにもかかわらず、 何故かその後100年以上も放置されていたようで、1973年にやっと再演(豪、Camden)されたとのことである。なお、このオペラの管弦楽は、かなり重厚である。総体的には、繰り返し演奏されるような名曲とは言えないかもしれないが、 聴き直したいアリアも幾つかあった。 2幕のクルーソーとヴァンドルディ(フライデイ)の2重唱は「フィガロの結婚」の伯爵夫人とスザンナの「手紙の2重唱」を想起させる面白さがあった。 ストーリーは、喜歌劇として聴衆を喜ばせたり、女性歌手を登場させる必要性からか、デフォーの原作は、大幅に書き直されている。今公演では、 歌唱はフランス語(字幕付き)、台詞は日本語だったのは聴衆としてはありがたかった。
歌手では、久し振りに聴いたエドヴィージュ役の針生美智子(S)のまろやかな美声・抜群の歌唱力が光っていた。主題役の土師雅人(T)も2010年の「シラノ・ド・ベルジュラック」 同様、好演であった。スザンヌ役の松尾香世子(S)は、声の響きは必ずしも良くなかったが、高音がよく伸び、コロラトゥーラの技術が抜群 であった。父クルーソー役の鹿野章人(Br)も存在感十分。
一方、大田麻衣子の演出では、第一幕のクルーソー家の場では、奥行きはないが、横並びの3部屋をうまく使ってドラマを進め、 第二幕は背景いっぱいの紺碧の空と海の色を適宜変化させ、南海の孤島の雰囲気がよく出ていた。 また、間奏曲にのった原住民のダンスも面白かった。なお、管弦楽は、石坂宏指揮下の東京オペラ・フィルハーモニック管弦楽団。(2013.2.11 記)

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2013.3.2:「カルディヤック

ヒンデミットの没後50年を記念して、 E.T.A.ホフマンの原作による オペラ「カルディヤック」が新国立劇場オペラ研修所公演として中劇場で上演(本邦初演)された。 このオペラのストーリーは、金細工人カルディヤックが自らの顧客を連続して殺してゆくという異常なものであるが、解説を読んでもその心理状態が なかなか理解できなかった。一方、重厚な管弦楽に支えられた音楽は、20世紀オペラの代表作の一つと言われている力作ながら、繰り返して聴きたくなるという類の オペラではない。しかし、公演プログラムの中でオペラ研修所長の木村俊光氏は、このオペラを選んだのは、あくまで研修生のためのものと述べているが、聴衆にとっても 珍しいオペラに接する貴重な機会であった。
今公演は、オペラ研修所13〜15期生中心のトリップル・キャストで行われたが、2日目は、OB(9期生)の近藤 圭が カルディヤックを歌ったが、実力者だけになかなかの好演であったし、カルディヤックの娘役の今野沙知恵(14期)、士官役の小堀勇介(15期)等も立派に 歌い、演じた。 なお、youtubeでフィッシャー・ディースカウ主演の全曲 (第一幕第二幕第三幕)を聴くことができる。 一方、三浦安浩の演出は、回り舞台をうまく使って舞台中央に焦点を当て、また、ストーリーに合った陰鬱な雰囲気がよく現わされていた。 管弦楽は、高橋直史指揮下のトウキョウ・モーツアルトプレーヤーズ。(2013.3.3 記)

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2013.3.14:「アイーダ」

このフランコ・ゼッフレッリの不朽の名演出を見るのは今回で3回目であるが、前評判の高い外人歌手とともに、堀内康雄、妻屋秀和、平野 和 等の日本人歌手の活躍にも期待して出かけた。ゼッフレッリ演出の舞台は、 何度見ても素晴らしい。また、このオペラ第2幕のバレエ・シーンは大変効果的であり、40年前、森下洋子が国際コンクール優勝直前に出演した 際の見事な踊り(NHKホール)がいまだに記憶に残っているが、今回の東京シティ・バレエ団のものもなかなか良かった。
一方、歌手陣では、 イタリアで「ラダメス特別賞」を受賞したというウルグアイ出身の ラダメス役のカルロ・ヴェントレは、低音の響きは多少軽くなるが、強靭で輝かしい高音は素晴らしかった。アイーダを歌った米国出身の 若手ソプラノ:ラトニア・ムーアの若々しい声も見事であった。また、 アムネリス役のやはり米国出身のマリアン・コルネッティは、ヴェルディ歌い として欧米で活躍しているだけに、声も良くさすがに存在感十分の堂々とした歌唱であった。一方、日本人歌手では、いまや新国のバス役に欠か せなくなった妻屋秀和が、いつもの通り他を圧する豊かな美声でランフィス役を見事に歌い演じた。また、アモナズロ役の堀内康雄は声質も役 に適しており、妻屋同様世界に通じる実力を発揮した好演であった。さらに、出番は少なかったが、国王役の平野和、伝令役の樋口達也、巫女役 の半田美和子もそれぞれ好演であった。
管弦楽は、ミヒャエル・ギュットラー指揮下の東京交響楽団。(2013.3.16 記)

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2013.4.17:「魔 笛」

ミヒャエル・ハンペ演出の「魔笛」は、これまでに何度も見ているが、オール日本人キャストであったので、 これに期待して出かけた。 ハンペの演出は、正統的なものであるが、繰り返し見ても構図、色合いともやはり素晴らしい。強いて言えば、第二幕の火と水の試練の場の迫力が今一に思えた。
歌手では、2009年公演同様ザラストロを歌った松位浩がつややかで重厚な声を活かして存在感を示した。これも前回と同役の夜の女王を 歌った安井陽子も前回以上の好演であった。また、前回、弁者役で出演した萩原潤は、今回は大役のパパゲーノを歌ったが、豊かな美声を活かし 素晴らしかった。一方、パミーナを歌った砂川涼子は、コンクールの実績も凄いし、歌は確かに上手いが、個人的には、声の響きがあまり好きにな れない。タミーノ役の望月哲也は、持ち前の柔らかい美声が役にあっており、力強さも加わり2005年の公演同様、 好演であった。やはり再演の鵜木絵里(パパゲーナ)も芸達者なところを披露した。その他の脇役陣の水準も高く、十分に聴きごたえのある公演であった。 新国立劇場も、ぼつぼつ今回のようにオール日本人キャストあるいは、外人を1〜2名にとどめたキャスティングの公演を中心にすべき時ではなかろうか。 童子の3人に新国合唱団員を起用したのは、目新しいが、これはこの合唱団のレベルの高さを示すものともいえる。
管弦楽は、ラルフ・ヴァイケルト指揮下の東フィル。(2013.4.19 記)

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2013.5.25:「ナブッコ」

オペラパレスで「ナブッコ」を観るのは11年ぶりであったが、新演出とのことなので、期待して出かけたが、 斬新というよりは、むしろ奇抜な現代化演出に戸惑ってしまった。今公演では、時代と舞台の設定を 紀元前のバビロニアの宮殿から現代の大型ショッピング・センターに移しかえている。 公演プログラムで演出家グラハム・ヴィックは、 「神に背を向けてしまったひとびとに怒った神は、神殿を破壊するために バビロニア人を送り込む」という原作のストーリーの原点について、21世紀の我々が、神からそっぽを向かれるのは、 「物欲にまみれた人間がショッピングに走るとき」と考え、乗り込んでくる敵たちは、「富裕層に反感を持つアナーキスト 等」と想定している。この奇想天外な発想には、驚かされたが、一応ストーリーとしては辻褄はあっている。しかし、 歌詞は旧約聖書に題材を求めた原作通りで変わっていないので、やはり違和感は拭えなかった。舞台のショッピング・センターは、さすがに 可動はしなかったがエスカレーターもあるなかなか凝った造りであったが、視覚的な楽しさもあまりなく、流行の現代 化演出としてあまり成功したとは思えない。少なくとも、個人的には再演を観たいとは思わない。因みに、3月にMETライブでみた 「リゴレット」は舞台を20世紀のラスベガスに設定したユニークな演出であったが、違和感もあまりなく、大変 楽しい演出であった。 一方、歌手陣は、ナブッコ役のルチオ・ガッロ(Br)、 アビガイッレ役のマリアンネ・コルネッティ(Ms)、 ザッカーリア役のコンスタンティン・ゴルニー(Bs)、イズマーレ役の樋口達哉(T)、フェネーナ役の谷口睦美(Ms)、 ベルの祭司長役の妻屋秀和(Bs)等内外の実力者歌手がそろい、合唱も素晴らしく、東フィルの力演と相まって、 名曲を堪能できた。(2013.5.26)

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2013.6.3〜15「コジ・ファン・トゥッテ」

2013.6.26 : 「夜叉ヶ池」

新国立劇場創作委嘱作品として香月修作曲 のオペラ「夜叉ヶ池」が、中劇場で世界初演された。三国峠の伝説に基づいた泉鏡花の原作(戯曲)は、ネット上の 「青空文庫」で全文を見ることができるが、 このオペラの台本は、オペラ化に最適の題材として長年暖めてきた作曲者自身が手がけたものである。鏡花の美しい言葉を残しながら、 台詞を減らす一方、オペラとしての見せ場も加えたものとなっている。作曲の経緯や思い入れについては、公演プログラムに詳しく 書かれているが、6月6日にたまたま聴いたNHKラジオの朝番組 「明日へのことば」での作曲者本人の話も面白かった。音楽的には、「誰でも口ずさむことが出来るオペラをつくりたい」 という作曲者の意図は「百合の子守歌」に現わされているが、管弦楽は、緻密に構成された重厚なものでなかなか素晴らしかった。しかし、 2階席の最前列で聴いたせいか、特に第一幕では、オケの音がやや過大に響き、字幕があったので助かったが、言葉が聞き取りにくい 場面もあった。 岩田達宗の演出は、「演劇的手法」にこだわったとのことであるが、主人公の住いのある夜叉ヶ池近くの山麓の写実的な情景は、 大変素晴らしく、手の込んだ色彩的な出演者の衣装とともに、聴衆の目を楽しませてくれた。また、第2幕終盤、大劇場と同じ中劇場の 本格的な舞台機構をフルに活用して、廻り舞台に乗った岩山が崩れながら奥舞台に移動し、水没してゆくシーンは迫力満点であった。
一方、歌手はオール日本人のダブルキャストであったが、「お気に入り」歌手の多いBキャストの日を選んで 出かけた。脇役陣に至るまで、実力者を配した贅沢なキャスティングであった。 白雪役の腰越満美は、その美声と美貌が生かされ好演であった。百合役の砂川涼子も演技を含めて力演・好演であった。晃役の西村悟は、一昨年の 「日本音楽コンクール」で優勝した実力者であり、やはり好演。声も体も大きいテノールなので、今後の活躍に期待したい。久し振りに聴いた学円役の 宮本益光、いつも重厚な美声を響かせる鉱蔵役の妻屋秀和をはじめ羽山晃生、大久保光哉、志村文彦、森山京子も皆好演であった。
なお、何年か前、外国ビデオで演劇の「フィガロの結婚」を見た際に断然モーツアルトのオペラの方が面白いと思ったことがあるが、 機会があれば演劇としての「夜叉ヶ池」を見てみたい。
管弦楽は、十束尚宏指揮下の東京フィルハーモニー交響楽団。(2013.6.27 記)

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2013.7.12:「三文オペラ」

昨秋、滋賀県立芸術劇場「びわ湖ホール」で上演され、 H25年度の新国立劇場地域招聘公演オペラに選ばれた「三文オペラ」が中劇場で上演された。 ベルトルト・ブレヒトの戯曲に クルト・ワイルが曲をつけたこのオペラは、劇中歌「マック・ザ・ナイフ」 とともに知名度の高いオペラであり、実演に接するのは 個人的には今回が初めてであったが、歌も台詞も日本語上演(日本語字幕付)であったので、この風刺の効いた名作喜劇を十分に楽しむことが出来た。 youtube等で主要部分を聴くことができる。 出演歌手は、栗原未和以外は、多分、全員初めて聴く人たちであったが、なかなかレベルの高い演奏であった。特にビーチャム役の 松森治(Bs)は、歌・演技とも最高であった。また、メッキー・メサー役の 迎肇聡(Br)もテノール的な美声で素晴らしかった。 女声陣では、ポリー・ビーチャムを歌った栗原未和(S)の美声が特に印象 に残った。個性的な脇役陣も健闘したが、ビーチャム夫人役の田中千佳子(Ms)は、歌も演技も少々お上品すぎた。
栗山昌良の演出による舞台は、冒頭の乞食商会の場面は少々物足りなかったが、 その後は、物語に良くマッチした舞台装置や人の動きで楽しめた。上下に移動する幅広で、文字いっぱいのカラフルな仕切り板を使った 場面転換も効果的であった。
管楽器とパーカッション中心の管弦楽は、園田隆一郎指揮下のザ・カレッジ・オペラハウス管弦楽団。合唱は、実力者のそろった びわ湖ホール声楽アンサンブル・ソロ登録メンバー。(2013.7.13 記)

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2013.7.16:「愛の妙薬」

今年度の「新国立劇場高校生のためのオペラ鑑賞教室」で6日間上演されたドニゼッティの「愛の妙薬」を観た。 チェーザレ・リエヴィ演出のこのオペラは、今年の2月に観たばかりであったが、主演が「お気に入り」歌手の 村上敏明、高橋薫子と知り、是非聞きたくなり、一般向けの当日券(残席がある場合のみ数十枚発売)を行列してやっと を入手した。この高校生のためのオペラ鑑賞教室は、オペラパレスでの過去の本公演と同一演出であるため、豪華な舞台装置 をそっくり利用する本格的な公演である。唯一異なる点は、歌手がオール日本人となる点である。しかし、出演する歌手は、第一線 の実力者であるため、演奏の水準は極めて高く、シーズン公演と比べても遜色がない。
チェーザレ・リエヴィの演出は、かななり抽象的な舞台で、飛行機まで登場する現代版であるが、カラフルで楽しく、何度見ても飽きない。 ファンクラブにも入っている村上敏明のオペラ公演には、大抵出かけているが、ネモリーノ役は今回 初めて聴いた。持ち前の強靭な美声を駆使して期待通り素晴らしかった。一方、やはりいつも素晴らしい歌を聴かせてせてくれる アディーナ役の高橋薫子も、声、歌唱力、容姿とも素晴らしく、まさに適役であった。 2月のオペラパレスでのシーズン公演と同役の成田博之(ベルコーレ)、九嶋香奈枝(ジャンネッタ)、及びドゥルカマーラ役の鹿野由之 も好演であった。
このような素晴らしいオペラを低料金(高校生:\2,100)で見ることが出来る、現代の高校生は幸せであるが、公演を1〜2日延ばして、一般向けの 公演をやってくれるとありがたい。(2013.7.17 記)

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2013.7.28:「ラ・フィアンマ」

東京オペラ・プロデュース第92回定期公演として オットリーノ・レスピーギ作曲の「ラ・フィアンマ(炎)」が中劇場で日本初演された。 レスピーギと言えばまず「ローマ三部作」と呼ばれる有名な交響詩があり、「霧」などの歌曲も声楽コンクールでは 時々聴くことが出来るが、9曲あるという彼のオペラに接するのは今回が初めてであった。 「魔女狩り」という暗くて現代人には なじまない題材であるが、ストーリーにはそれなりに説得力があった。音楽的にも、牧歌的情緒や絵画的な感覚を前面に押し出して いるといわれる彼の作風を代表する作品である。なお、youtubeで「La Fiamma」の全曲 を聴くことが出来る。 Aキャストの日であったが、実力派のシルヴァーナ役:垣岡敦子(S)、ドネッロ役:星洋二(T)、総督バジリオ役:村田孝高(BR)、 エウドッシア役の河野めぐみ(Ms)の熱演で作品の骨格を的確に把握することが出来た。しかし、声だけに限ればモニカ役の工藤志州(S)の豊かな美声が際立っていた。 八木清市の演出による舞台は、若干形を変え、3幕を通して利用した宮殿の柱と天井は、簡略化したものであったが、造形的にはなかなか美しかった。 管弦楽は、石坂宏指揮下の東京オペラ・フィルハーモニック管弦楽団。(2013.7.28 記)

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2013.7.28:「魔笛(短縮版)」

恒例の新国立劇場オペラ研修所の試演会で「魔笛(短縮版)」が取り上げられた。「魔笛」は4月に 大劇場で観たばかりであったが、短縮の仕方に興味を持ったので、小劇場へ出かけてみた。 しかし、木村俊光所長と演出家カロリーネ・グルーバー女史による「短縮版」は、作品の「短縮」と演出の「現代化」 を同時に行ったため、「研修」のための諸々の制約はあったにせよ、中途半端な作品になってしまった。 短縮のためいくつかの名アリアがカットされたのは止むを得ないとしても、観客の中にはオペラを始めて観に来たら しい子供も何人かいたが、「魔笛」の真髄が伝わったかどうか、モーツアルト・ファンの一人として心配になった。
グルーバー演出では、雷鳴とともにいきなりベッドで寝ているタミーノをタイツ姿の美女(大蛇)が襲ったり、 掃除婦パパゲーナとパパゲーノが下着姿でベッドインしたり、その奇抜な発想には驚かされたが、「火の試練」/ 「水の試練」の場ではスクリーンの活用が効果的であった。
出演者は、ゲストの清水那由太を除いて、オペラ研修所の14〜16期生であったが、突出した歌手は見られないものの、 それぞれ無難に役をこなしていた。とくに台詞の部分も含めて、ドイツ語の発声がなかなか良かった。 声の魅力の点では、パパゲーナを歌った種谷典子(S)とモノスタトスをうたった菅野 敦(T)が特に印象に残った。 指揮は天野裕子、ピアノは原田園美・星和代(2013.7.29日 記)


2013.8.3:「ホフマン物語」

二期会創立60周年記念公演として東京二期会による オッフェンバックの「ホフマン物語」がオペラパレスで上演された。 Aキャストのこの日は、二期会の看板歌手総動員であったが、どうも男声陣優位であった。ホフマンを歌った 福井敬(T)は、輝かしい高音が健在で、好演であった。 リンドルフ/コッペリウス/ダペルトゥット/ミラクル博士の4役を歌った 小森輝彦(Br)及びクレスペル役の 斉木健詞(Bs)は、豊かな美声を活かしてやはり好演であったが、 スパランツァーニ役の吉田伸昭(T)は声が軽すぎた。女声陣では、良く伸びる美声の安井陽子(S)のオランピアが際立って素晴らしかった。 ジュリエッタ役の佐々木典子(S) は、17〜18年前に初めて聴いた彼女の素晴らしい声(オペレッタ「シューベルトの青春」)と比較してしまっためか、今一つ物足りなかった。また、アントニアを歌った 木下美穂子(S)も、日本の三大声楽コンクールを制した「三冠女王」として活動しすぎたためであろうか、熱演ではあったが声が荒れ気味に感じた。 ミューズ/ニクラウスの2役を歌った 加納悦子(Ms)は、まずまずの好演であった。
一方、東京文化会館にはない新国立劇場の 本格的な舞台機構をフルに活用した粟国淳の幻想的な演出が目を楽しませてくれた。 第一幕及び第二幕では、廻り舞台が奥舞台からせり出し、廻り舞台の上には第一幕では腕時計の内部を拡大したような歯車が回る 複雑な装置が、第二幕ではヴェネチアの運河を想起させる幻想的な装置がのっており、目を楽しませてくれた。しかし第三幕のクレスペル の家の場面は、もう一工夫欲しかった。衣装にも多少のちぐはぐ感を持った。ステラは素晴らしかったが、オランピア は左の写真(MET公演の例)のように赤系で上下そろいの方が人形らしかったのではなかろうか。 管弦楽は、ミシェル・ブラッソン指揮下の東京フィルハーモニー交響楽団。(2013.8.4 記)

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