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(22) 2019/2020シーズン公演(最終更新日:2019.11.14)-------- (大部分の画像は、クリックすると大きくなります)

2019.9.6:「ランスへの旅」
2019.9.15:「エトワール」
2019.10.3:「エウゲニ・オネーギン」
2019.11.13:「ドン・パスクワーレ」


《過去のシーズン公演》:  1999/2000 * 2000/2001 * 2001/2002 * 2002/2003 * 2003/2004 * 2004/2005 * 2005/2006 * 2006/2007 * 2007/2008 * 2008/2009 * 2009/2010 * 2010/2011 * 2011/2012 * 2012/2013 * 2013/2014* 2014/2015* 2015/2016 * 2016/2017* 2017/2018* 2018/2019


2019.9.6:「ランスへの旅」

藤原歌劇団公演(共催:新国立劇場・東京二期会)として、オペラパレスでロッシーニ作曲(1825年)の一幕オペラ「ランスへの旅」が 上演された。このオペラは、ロッシーニ独特の軽妙なメロディーに乗った歌唱が続く名作ではあるが、めったに演奏されない。 その理由として、15名を超えるソリストを集めるのが大変などと言われているが、曲のほとんどを彼自身が3年後の1828年に作曲した 「オリ―伯爵」に転用していることとも関連がありそうに思える。 今公演の17名のソリストは、藤原歌劇団団員が15名、二期会会員が2名であったが、総体的に高水準の演奏で、作品の良さが 充分に伝わった。コリンナ役の光岡暁恵は、 2003年の日伊声楽コンコルソ(3位)や2008年の静岡オペラコンクール(優勝)での好演が記憶にあったが、今回久し振りに 聴いた伸びやかな美声は一層素晴らしかった。メリベーア侯爵夫人役の富岡明子、 フォルヴィル伯爵夫人役の横前奈緒、騎士ベルフィオーレ役の糸賀修平、リーベンスコフ伯爵役の山本康寛、2006年にも同役を歌ったトロンボクノ男爵役の折江忠道、 ドン・アルヴァーロ役の上江隼人等も持ち味を生かして好演であった。
松本重孝演出による今公演では、長大な一幕もののオペラを分割して二幕オペラとして上演したが、特に不自然ではなく、 休憩も取れてむしろ好都合であった。舞台となる保養地のホテルは、豪華ではないが洒落た感じで悪くはなかったが、サロン奥の 白っぽい壁面にはもう一工夫ほしかった。
管弦楽は、園田隆一郎指揮下の東京フィルハーモニー交響楽団。(2019.9.7 記)


2019.9.15:「エトワール」

東京オペラ・プロデュースの主催で エマニュエル・シャブリエのオペラ・ブーフ(喜歌劇)「エトワール(星占い)」が中劇場で上演された。 シャブリエといえば軽快な狂詩曲「スペイン」しか思い浮ばないが、Wikipediaによるとオペラも「エトワール」の他にも3曲作曲しているようだ。 このオペラは、2009年に今回と同じ飯坂 純の指揮下に上演されたが、先約のため観ることができなかったので、今公演には 予備知識ゼロで接した。特に印象に残るアリアはなかったが、全曲を通して軽妙かつリズミカルな音楽は、親しみやすく心地良く響いた。 なおこのオペラは、youtubeでも全曲聴くことができる。 このオペラのストーリーは、星占いの結果に振り回される複雑かつ荒唐無稽なものであるが、台詞部分が当代風のギャグ満載の日本語であったので、 理解しやすく楽しめた。
出演歌手の中では、ウーフT世役の 青柳素晴の声量豊かな美声が圧巻。また、行商の若者ラズリ役の醍醐園佳は、声も良く、 容姿も抜群でまさに宝塚の男役スターの観があった。王女役の江口二美、占星術師シロコ役の米谷穀彦ほかも好演。
一方、八木清市演出による舞台は、回り舞台に乗ったサイケデリックな彩色が施し、抽象化した簡易な宮殿が中心であったが、 ドタバタ喜劇には良くマッチしていた。管弦楽は、飯坂 純指揮下の東京オペラ・フィルハーモニック管弦楽団。(2019.9.16 記)


2019.10.5:「エウゲニ・オネーギン」

新国立劇場2019/2020シーズンの開幕公演としてチャイコフスキーの「エウゲニ・オネーギン」が上演された。出演歌手 のうち中核の4人の外国人歌手は、いずれのロシア出身でしかも新国初登場であった。 オネーギンを歌ったワリシー・ラデュークは、2005年の第4回 静岡国際オペラコンクールで優勝しているが、予選でその素晴らしい美声と歌唱力に初めて接し、 将来の大成を確信していただけに、十数年ぶりに再度接することができてうれしかった。今回の公演では期待通りの素晴らしい歌唱を披露し理想的な オネーギンを演じた。タチアーナを歌ったエフゲニア・ムラーヴェワも気品のある豊麗な 美声を駆使してMET ライブで観たネトレプコに匹敵する好演であった。一方、レンスキー役のパーヴェル・ コルガーディン及びオリガ役の鳥木弥生は、声の響き前記の2人に押され気味であったこともあり、それぞれの役のイメージに若干合わない気がした。 グレーミン公爵役のアレクセイ・ティホミールフは、存在感充分の好演 であった。また、フィリッピエヴナ役の竹本節子は、豊かな美声を活かし、いつものごとく好演であった。
一方、ドミトリー・ベルトマンによる演出は、本人がプログラムで述べているように、100年近く前の スタニスラフスキーの演出を発展させた正統的なものである。舞台中央に8本の石柱を持つ古代風の立派な門構えを3幕を通して活用し、 各場面で豪華な舞台を現出した。しかし第2幕のラーリナ家での舞踏会はコミカルな所作も多く面白かったが、第3幕のグレーミン侯爵邸での舞踏会 の場面では、タチアーナを除いた女性全員を黒衣装とした意図が理解できなかったし、視覚的には楽しくなかった。
管弦楽は、アンドリー・ユルケヴィッチ指揮下の東京フィルハーモニー交響楽団。(2019.10.4 記)


2019.11.13:「ドン・パスクワーレ」
ドニゼッティ作曲のオペラ・ブッファ 「ドン・パスクワーレ」が新国立劇場では、初めて上演された。 今公演は、歌手、演出ともに理想に近く、ドニゼッティ晩年の傑作を大いに楽しむことができた。
出演歌手は、主役の4人は、理想に近いキャストであった。 主題役を歌ったロベルト・スカンディウッツィ(Bs)は、2001年の「ドン・カルロ」、2007年の「ドンキ・ショット」 での好演が記憶に残っているが、今回も重厚な美声を駆使して見事な歌唱と演技を披露してくれた。 医師マラテスタ役を歌った新国初登場のビアジオ・ピッツーティ(Br) も、豊かな美声を持ち同様に好演であった。甥エルネストを歌ったマキシム・ミロノフ(T) は、2017年の「セビリアの理髪師」で好演したが、今回も前記の2人と比べるとやや細めながら良く透る美声を駆使してやはり好演であった。 ノリーナ役を歌ったアルメニア出身で新国初出演のハスミック・トロシャン(S)は、欧米で活躍する 新進の歌手であるが、「夜の女王」まで歌う技巧の持ち主でありながら、声量も十分あり、しかもなかなかの美女である。 今公演でも彼女の特質が活かされ、適役であり好演であった。
i一方、ステファノ・ヴィツィオーリの演出は、写実的な舞台装置の質感、素早く気のきいた舞台転換、コミカルな所作など どの面からみても見事で、イタリアでは繰り返し上演され決定版ともいわれているとの事もうなずける。
管弦楽は、コッラード・ロヴァーリス指揮下の東京フィルハーモニー交響楽団。(2019.11.14 記)




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