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(22) 2018/2019シーズン公演(最終更新日:2018.10.14)-------- (大部分の画像は、クリックすると大きくなります)

2018.9.7:「三部作」
2018.9.22:「ルイーズ」
2018.10.13:「魔笛」


《過去のシーズン公演》:  1999/2000 * 2000/2001 * 2001/2002 * 2002/2003 * 2003/2004 * 2004/2005 * 2005/2006 * 2006/2007 * 2007/2008 * 2008/2009 * 2009/2010 * 2010/2011 * 2011/2012 * 2012/2013 * 2013/2014* 2014/2015* 2015/2016 * 2016/2017* 2017/2018


2018.9.7:「〈三部作〉外套/修道女アンジェリカ/ジャンニ・スキッキ」

東京二期会、デンマーク王立歌劇場、アン・デア・ウィーン劇場の共同制作によるプッチーニの「三部作」が新国立劇場、東京二期会、 日本オペラ振興会の3者共催で上演された。この三部作は、2作で上演されることが多く、個人的には本来の3作同時上演に接するのは、 今回が初めてであった。
今公演は、歌手も良かったが、ダミアーノ・ミキエレットの演出の面白さが特に印象に残った。まず、「外套」の舞台に船の姿はなく、 いくつかのコンテナが並んでいるだけであったが、港の作業場の雰囲気は感じられた。驚かされたのは、「外套」から「修道女アンジェリカ」 への移行が途切れなく行われたことである。舞台上のコンテナの側面が引き上げられると、そこは修道院の独房や洗濯場に変わり、 ジョルジェッタ(文屋小百合)は、舞台中央で着替え、髪を切られ、アンジェリカに変身するという奇抜なの演出であった。 「アンジェリカ」の終演後には、休憩があったが、「ジャンニ・スキッキ」の舞台であるブオーゾ邸の豪華な部屋も、フィナーレでは、人や物を 取り込んでコンテナに戻ってしまうという一貫性を持たせた面白い演出であった。
また、ドラマ的には、「外套」でのルイージとジョルジェッタの愛の表現、アンジェリカの狂気と幻想、「スキッキ」での死人ブオーゾ のコミカルではあるが手荒な扱いは、かなりのオーバーアクションではあったが、なかなか説得力もあり、面白かった。
一方、歌手陣は、脇役にも実力者が配され、満足のゆくものであった。 特に初めて聴いたバリトンの今井俊輔(ミケーレ/ジャンニ・スキッキ) 及びテノールの芹澤佳通」(ルイージ)の豊かな美声が印象に残った。 久しぶりに聴いた文屋小百合も(ジョルジェッタ/アンジェリカ)まずまずの好演であった。
管弦楽は、ベルトラン・ド・ビリー指揮下の東京フィルハーモニー交響楽団。(2018.9.8 記)

「外套」  「修道女アンジェリカ」 「ジャンニ・スキッキ」


2018.9.22:「ルイーズ」

東京オペラ・プロデュース第102回定期公演として シャルパンティエ 作曲の「ルイーズ」が上演された。 このオペラは、パリの下町を舞台に繰り広げられる親子間の恋愛にかかわる葛藤を写実的に描いた名作 であるが、第3幕の有名なアリア「その日から」 とともに全曲を流れる軽妙な管弦楽の響きが聴きどころである。なお、11年前、このオペラを初めて見たのも、この劇場である。
このオペラには主役の4人のほか脇役が異常に多く、20数名も出演する。 題名役の菊地美奈(S)は、やや硬質の声なのでルイーズ役としてどうかなと思っていたが、声も良く出ており、 なかなかの好演であった。恋人ジュリアン役の高田正人(T)は、初めて聞いたが、豊かな美声の持ち主で大変素晴らしかった。 父役の米谷毅彦(Br)も強靭な美声を持ち、存在感十分であった。母役の河野めぐみ(Ms)も好演。20数名も出演する脇役の中には 印象に残る美声の人も何人かはいたが、だれの声か良く解らなかった。
馬場紀雄演出による舞台は、回り舞台に乗せた簡素なものであり、住まいの外観は、やや抽象化されたもので現実感に乏しかったが、 裏側の室内は、コンパクトながら段差を付け、親子の対話の場の相応しい雰囲気が出ていた。
管弦楽は、飯坂純指揮下の東京オペラ・フィルハーモニー管弦楽団。(2018.9.23 記)


2018.10.13:「魔笛」

新たに芸術監督に就任した大野和士が 今シーズンのオープニングに、彼が音楽監督を務めていた頃ベルギーのモネ劇場で初めて上演(2005年)された ウィリアム・ケントリッジ演出の「魔笛」をもってきた。前評判も高かったので、大きな期待を持って出かけた。 今年は、「魔笛」をすでに3回(4月のオーチャード・ホール、6月の日生劇場、先週の藝大奏楽堂)も観ており、それぞれ面白 かったが、今回の公演もきわめて斬新な演出で、楽しめたが、若干の違和感も覚えた。 個人的には、これまで何度も観たM.ハンペ演出ような正統的なものの方がこのオペラには合っているように思える。
南アフリカ出身の現代美術家で、素描をコマ撮りにした「動くドローイング」と呼ばれる手描き アニメーション・フィルムで世界的に知られる W.ケントリッジの演出は、背景のスクリーンのみでなく舞台側面の柱等への投影により立体感のある舞台となった。場面転換も 素早く、水の試練の場などは迫力満点であった。しかし、モノトーンの舞台は、場面によっては少々物足りなく感じた。 また、奇異な姿の鳥刺しには見えないパパゲーノの衣装、通常は僧侶姿のザラストロの洋服姿及び一応揃いのジャケットは着ているもののその配下の人達の 平服的な姿にはかなりの違和感を覚えた。
一方、出演歌手は、脇役に至るまで適材適所で十分に満足できた。パパゲーノを歌ったアンドレ・シュエン は、衣装のせいかやや野性味に欠ける気がしたが、歌は良かった。ザラストロを歌った長身の サヴァ・ヴェミッチは、重厚な声で存在感十分であった。タミーの役のスティーヴ・ダヴィスリム も重厚な美声を活かして好演。パミーナを歌った林正子の豊麗な美声は、 いつも通りで素晴らしかった。安井陽子の夜の女王は何度も聴いているが、 今回の歌唱が一番良かった。弁者他の成田真、3人の侍女(増田のりこ、 小泉詠子、山下牧子)、パパゲーナの九嶋香奈枝等の脇役陣も皆好演。
管弦楽は、ローラント・ベーア指揮下の東京フィルハーモニー交響楽団。(2018.10.13 記)


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