小笠原(父島)の街路樹 |
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アレカヤシ(Areca palm, Yellow butterfly palm等/Chrysalidocarpus lutescens)
ヤシ科、クリサリドカルプス属の常緑高木。葉の落ちた痕が幹に残り、竹の節のように見えるので、「コガネタケヤシ (黄金竹椰子)」ともいわれる。観葉植物として栽培されるほか、垣根、防風林や街路樹として利用されている。また、いけばなの材料としても用いられる。
オガサワラビロウ(Chinese fan palm / Livistona chinensis var.boninensis)
ココヤシ(Coconut palm /Cocos nucifera)
ヤシ科、ココヤシ属の常緑高木。高さが20〜30mになるヤシ類の代表で単にヤシともいう。ココヤシは、父島では、 街路樹や公園樹として広く用いられているが、亜熱帯ながら降雨量が比較的少ない小笠原群島には、必ずしも適していないのか、 結実が少なく、特に利用もされていないようだ。
シンノウヤシ(Pygmy date palm / Phoenix roebelinii )
(交流センター付近にて)
タコノキ(Screw pine /Pandanus boninensis)
(大村地区にて) (夜明山付近にて)
タコノキ科、タコノキ属の常緑高木。小笠原の固有種であるタコノキは、幹の下部から垂れる多数の支柱根がタコの足に似ていることから、 名付けられた。50個から100個の核果をつけたパインナップル形の集合果をつける。 果実の髄や種子を煮ると食用になり、種子から食用油をとることも出来るようである。長い葉は、乾燥させた後、民芸品の各種「タコノキ細工」に用いられている。琉球列島で多く見られるタコノキに酷似した アダンもタコノキ科に属する。
テリハボク (Alexandrian laurel / Calophyllum inophyllum )
(清瀬地区にて)
オトギリソウ科、テリハボク属の常緑高木。別名「タマナ」。葉はゴムノキに似ていて、大きく厚く、光沢がある。実は2-3cmの球状で、 海水に浮かんで分布を広げる。父島の海岸近くには、巨木となったテリハボクが多く見られる。沖縄では、主要な街路樹の一つである。
トックリヤシ (Bottle palm / Hyophorbe(Mascarena) lageniraulis)
(大村地区にて)
ヤシ科、トックリヤシ属の常緑低木。幹の基部が大きく膨らみ、上に行くにつれてほそくなり、文字通り徳利のような形をしており、ユーモラスであるが、樹高が3−4mどまりであるため、街路樹としてはあまり多く利用はされていない。
トックリヤシモドキ(Spindle palm / Hyophorbe(or Mascarena) verschffeltti)
(大村地区にて)
ヤシ科、トックリヤシ属の常緑高木の。成長が早く、樹高も6−8mになるので、街路樹としてもかなり広く用いられている。
ホウオウボク(Royal poinciana、Flame tree 等/Delonix regia)
(大村地区にて)
マメ科(又はジャケツイバラ科)、ホウオウボク属の半落葉高木。ネムノキに似た美しい2回羽状複葉と燃えるような鮮やかな朱赤の大きな総状花をもち、 「世界一美しい木」ともいわれる。また、傘状の樹形で、大きな葉をたくさんつけるので、熱帯各地に街路樹、緑陰樹として広く植えられている。 ホウオウボク(鳳凰木)は英名同様「カエンジュ」(火焔樹)ともいわれるが,ノウゼンカズラ科のカエンボク(火焔木)と紛らわしい。
ムニンデイコ (Coral tree / Erythrina boninensis)
(扇浦海岸付近にて)
マメ科、デイコ属の落葉高木。小笠原諸島では「ビーデビーデ」、省略形の「ビーデ」と呼ばれ親しまれている。小笠原では、3月に、葉(3出複葉) が伸び始めるのとほぼ同時に、きわめて鮮やかな濃い紅色の花を咲かせる。なお、ムニンデイコ(小笠原のデイコ)は、 小笠原諸島の固有種とされていたが、最近沖縄の県花となっているデイコ (Erythrina variegata)と同種とみなされているようである(「月間小笠原諸島」81号)。
参考図書:小笠原野性生物研究会著、 「小笠原の植物・フィールドガイド」、風土社