「ザザ」のあらすじ

第1幕:フランス。サン・エティエンヌにあるアルカザールの舞台裏。舞台裏で劇場支配人クールトワ、新聞記者のビュッシーや歌手のフロリアーナらが話している所に女優ザザが現れて楽屋に入る。そこへ、ザザの元恋人の俳優カスカールもやって来てザザの楽屋に入る。カスカールがザザに新しい仕事の話を持ちかけているうちに、話題は昔の話となりカスカールはザザの母親アナーイデを<酒飲み女>と非難するが、ザザは「かわいそうな人なの。」と母を庇う。カスカールはザザに「君は良い女だね。」と言って楽屋から出る。入れ替わるようにアナーイデが現れてザザに金の無心をしてザザはお金を渡す。金を受け取ったアナーイデが立ち去ったあと、ザザは客のミーリオ・デュフレーヌ、クールトワ、ビュッシーに讃えられて舞台に出て行く。ミーリオが「ザザは素晴らしいが、女として危険だ。」と話している所にザザが戻る。ミーリオに気があるザザは、次の二重唱の練習にかこつけてミーリオを誘惑するが彼はなびかない。腹を立てたザザが舞台に出ようとした時、突然ミーリオがザザに情熱的にキスをする。

第2幕:ザザの家一緒に住み始めたザザとミーリオ。しかしミーリオは仕事の為に独りでアメリカに行かねばならないとザザに告げる。ザザは少しの間彼と離れることを渋々承諾、準備のために一旦パリの自宅に帰るミーリオを駅まで見送る。帰宅したザザのところへカスカールが訪れて、地方巡業の仕事をザザに再び持ちかけるが、ザザはミーリオの仕事を理由にカスカールの提案を断る。するとカスカールはザザにミーリオにはパリに恋人が居ることを告げる。ザザは真実を確かめるべく召使ナタリーアを連れてパリに出発する。 第3幕:パリ。ミーリオ・デュフレーヌの家実は妻も子供もいるミーリオは、家族と共にアメリカへ出発する前にザザとの決別の方法を思案している。ミーリオの妻はミーリオを駅まで見送りに出かける。その時に彼女は召使のマルコへ「デュノワイエ夫人が来訪したら待っていただきなさい」と言い残す。そこへザザがミーリオの家を訪れる。マルコはザザをデュノワイエ夫人と間違えて家に通してしまう。そこでザザはミーリオが結婚していることを知り動揺する。ミーリオの娘トトーが現れ、ザザはトトーから家族でアメリカに行く予定であることを聞いてさらに絶望する。トトーがピアノを弾くとザザは号泣してしまう。トトーがピアノを弾き終わった時、ミーリオの妻が帰宅する。ザザは自分の名前を偽り、家を間違えたと説明して立ち去る。 第4幕:2幕と同じザザの家アナーイデ、クールトワとカスカールがザザのことを心配しているところへザザが落ち込んで帰宅する。カスカールは慰めの言葉をかけて立ち去る。そこに何も知らないミーリオが現れる。ザザはミーリオに「あなたの妻に会った」と告げる。そして、ミーリオを試すために「全てを話した」と彼に告げる。全てが妻に露呈したと思い激怒するミーリオ。真実を見たザザはミーリオに「何も言ってはいない・・・」と告げてミーリオを追い出してしまう。独り残ったザザは「全ては終わってしまった」と泣き伏す。(新国立劇場「公演案内」より)