「ヤーザーガー」のあらすじ:

 町に、ひとりの少年が病気の母と暮らしていた。ある日その家に少年の師匠が訊ねてくる。
明日から厳しい山中での修行に入ることを告げにきたのだ。しかし、師匠は病の母親にその
子は連れて行かないことを伝える。だが、少年は師匠に訴える。山の向こうには名医がいる。
修行に同行し、名医から薬をもらい母の病の治し方を教えてもらいたいのだという。
 師匠は、少年には無理だと反対し、母親は、少年を傍から離れさせたことはないのだから、
と説得する。だが、少年の意志は変わらない。大人たちは彼の意志を信じて肯首した。

師匠と少年を含めた一行は、山中へ入っていく。山道は少年には厳しかった。少年は師匠に
具合が悪くなったことを伝える。それを見た他の弟子たちは、少年は疲れただけでなく病気に
なったのではないか、といぶかる。この先にきつい岩場があり、少年はそこを越えられないの
ではないか、と。弟子たちは師匠に古の捉のことを告げる。「山修行の途中で病を煩った者は
谷に落とされねばならない」というものだ。

 師匠は弟子たちに付け加える。捉には、病人に捉に従うかそれとも一行全員里に戻ることを
望むのか、聞かねばならないと。しかし、その掟には更に続きがある。「病人は『一行は里に
戻るべきでない』とこたえなさい」と。師匠は少年にそのことを問う。少年は、掟に従うとい
う。最期、少年は他の弟子たちに壷を差し出し、医者に会ったらそこに薬を入れ、母親に渡し
てほしいと言い残す。弟子たちは壷を受け取り、少年を谷へ落とす。 (公演プログラムより)