<ポントの王ミトリダーテ> 3幕のオペラ・セリア。 紀元前70年頃の黒海南岸、ポント国ニンファーナ(現在のトルコ北部の古代都市)。王ミトリダーテは出陣中であったが、最近 戦死の噂が流れている。長男ファルナーチェは、 父の婚約者アスパージアに思いを寄せ、弟シーファレと対立している。そこに王が長男の許婚イズメーネを伴って帰国し、長男の 裏切りを知る。ローマと密通するファルナーチェは、弟と彼女の恋仲を暴露する。王は、息子達を殺そうと決心し、アスパージア のもとにも毒杯を届けて、ローマ軍との戦のため再度出陣する。そこにイズメーネに救われたシーファレが駆けつけ、毒杯を奪い取り、 父を助けるために出陣してゆく。戦場で負傷した王は、シーファレの忠誠を知り、彼に王位とアスパージアを与える。さらに、 ファルナーチェの戦功も知り、長男も許して息を引き取る。(1770年ミラノで初演)

<ルーチョ・シッラ>3幕のドラマ・ペル・ムージカ(音楽劇)。 紀元前80年頃のローマ。元老院議員チェチーリオは独裁執政官シッラに追放されたが、密かに帰還し、自分の許婚ジューニアと結婚 を強行しようとするシッラに剣を抜く。チェチリーオはいったん死刑と決まるが、妹やジューニアの言葉に動かされ、シッラは突然 すべてを赦し退官する。人々は彼の栄光を讚える。(1772年ミラノで初演)