「流刑地にて」のあらすじ

死刑を宣告された兵士の死刑執行に立会うため、1人のヨーロッパからの旅行者が到着した。
彼は、前任の司令官時代から引続き採用されているこの流刑地の死刑執行方法に疑問を持ち
始めた新任司令官に招待されたのだった。この旅行者は、新しい死刑執行装置の最終調整を
行っている死刑執行担当の将校に会う。

この将校は、新装置の3つの主要な部品、すなわち囚人を寝かせるためのベッド、まぐわ(馬鍬)
を操作する製図屋、及び歯のような針を備え、囚人の背中にその罪状を刻んでゆくまぐわ本体
について説明した後、死刑執行対象の囚人の不服従な態度を誹謗した。また、彼は、旧司令官
の「罪は、常に疑う余地もない」という言葉を引用した。そしてこの男は、弁明の機会もなく、死刑
を執行されようとしていた。将校は、この囚人が受けようとしている刑の執行方法(装置の針が
6時間にわたって彼の背中の皮膚に"上官を敬え"という文字を刻んでゆく)について説明した。
そしてこの囚人は、この装置まで連れてこられた。そして裸にされ、ベッドに寝かされた。
しかし、まぐわが降下する際に革ひもが切れ、装置は停止した。

将校は、旅人に、新任司令官にこの方法による死刑執行の有効性及び重要性を納得させるため、
好意的な報告書を書いてくれるよう乞う。しかし、旅人は、この方法には賛同できないし、明朝
早く帰途に着かねばならないので、ご要望には応えられないと言う。
突然、将校はこの囚人を解放した後、旅人に一片の紙を手渡し、読むことを求める。しかし、旅人
には読めなかった。将校が、大声で読み上げた。「正義をなせ!」。そして彼自身が裸になり、新
死刑執行装置に横たわった。装置は、また誤作動し、拷問の過程を飛ばしてまぐわは将校の背中
に突き刺さった。(ネット上の内外の資料による)