「ペレアスとメリザンド」のあらすじ:
幕が上がると森の中の泉の辺で可憐な女性が泣いている。これが謎の女性メリザンドである。狩の途中で道に迷い、やはり この泉にたどり着いた王子ゴローは、彼女の魅力にひかれて話しかけるが、この謎の女性は、自分の名前がメリザンドであ ること及び身寄りのない放浪者であること以外、何も話さない。ゴローは、王族としての自分の立場、祖父である病弱の アルケル王、弟ペレアス、亡妻との子イニョルドのことなどを話す。ゴローはメリザンドを慰めているうちに、恋に落ち、 ついには結婚する。しかし、メリザンドは、夫ゴローの愛と保護に感謝しながらも、真の恋を知らない。ゴローが彼女を自 城に連れ帰ったとき、初めてペレアスに会うが、ここから悲劇が始まる。程なくペレアスとメリザンドは、恋に目覚める。 そしてゴローには、嫉妬が芽生える。メリザンドは、ペレアスとの出会いに心を躍らせながらも、夫に忠誠を尽くすことを 堅く誓い、努力する。或る日、ペレアスとメリザンドが旧い泉の辺で会い、戯れているうちにゴローにもらった貴重なリン グを水中に落とし、失ってしまう。一方、狩の最中のアクシデントで怪我をして床についているゴローは、これを知り激怒 するとともに、ペレアスとメリザンドの親密さの証拠を得るために、リングをペレアスと一緒に探し出すように命じる。 その後、二人はゴローの嫉妬を警戒し、密会を極力避けるが、ゴローの疑いはますます深まる。一方、ゴローは、不倫の証 拠をつかむため幼いイニョルドにペレアスとメリザンドを監視させ、その行動を執拗に聞きだす。ゴローは、ペレアスに別 れを告げるために森の泉に出かけたメリザンドの後をつけ、嫉妬に狂い、ペレアスを刺し殺す。ゴローの子を出産後、死の 床に横たわるメリザンドは、力を振り絞ってペレアスとの不幸な純愛について訴える。ゴローは、悔恨と悲嘆に打ちひしがれ、 彼女の足元に跪くが、時すでに遅く、メリザンドは息絶える。