「ノルマ」のあらすじ:

物語の舞台は、紀元前50年頃のガリア地方。
第1幕
第1場ドルイッドの森。ローマ支配下のこの地方の長ドルイド教徒のオロヴェーゾはローマ帝国への反乱を企てようとしている。 一方,ローマの代官ポリオーネは、オロヴェーゾの娘で巫女の長であるノルマを誘惑し2人の子供まで内密にもうけているのに, 今はノルマへの愛が冷め、若い巫女アダルジーザに心を移し、祈りを捧げに来たアルダジーザを口説き、一緒にローマへ逃げようと 誘う。
第2場ノルマの居間。 アダルジーザはノルマに恋の悩みを訴える。ノルマは自分と同じ悩みをもつ彼女のあやまちを許すが,そこにポリオーネが現れ, 彼女の恋人が彼と知るや烈火のごとく怒る。
第2幕
第1場ノルマの住家。ノルマは子供を殺して自殺しようと思うが,子供を殺すことができず,アダルジーザを呼び,子供をポリオーネ のもとに連れて行くように頼むが、彼女は断り、ノルマとの仲を元に戻すようにポリオーネを説得すると言う。
第2場ドルイッドの森。オロヴェーゾは、ローマ軍の司令官がポリオーネからさらに残忍な人物に交代したことを告げ、 ローマに対抗すべしと勇しく歌う。
第3場:神殿の中。 アダルジーザの説得が失敗に終わったことを知ったノルマは怒り,人々を集めローマ人を討てと命じる。 そこに立ち入り禁制の聖なる森に入って捕らえられたポリオーネが連れて来られる。彼を殺そうとする父から短剣を取って, 自分が殺すから暫くこの男と2人だけで話させてくれと言い皆を退ける。ノルマは彼に,もし自分のところに戻るなら許すが, そうでないなら,アダルジーザとともに生賛にすると脅すが,彼はこれを受けない。ノルマは再び人々を集め, この神殿の巫女の中に碇に背いた者がいると発表し,それは自分であると告白し,父オロヴェーゾに総てを告白し, 2人の子供の命乞いをして,自ら生賛の祭壇に上り劫火の中に身を躍らせる。ポリオーネはノルマの気高さに感動し, 自分もあとを追って劫火の中に身を投じる。(「公演案内」、「オペラのすべて'86」等より)