「あらすじ」:

<鳴神> 昔、山奥に鳴神上人とよばれる高僧がいた。ある時、宮廷に不満を抱いた鳴神上人が世界中の竜神を滝壷に閉じこめたため、 人々は干ばつに苦しめられる。困った帝は、美しい官女の雲の絶間姫を上人のもとへ遣わす。絶間姫が色仕掛けで上人を誘惑し、 酒を飲ませて眠らせて、滝に張ったしめ縄を切って竜神を解き放つと、たちまち豪雨となり国中が潤う。目覚めた上人は雷神と 化して荒れ狂い、雲に飛び乗って絶間姫を追うが後の祭りである。

<俊寛> 平家全盛時代の九州、鬼界が島の海岸。平家討伐の陰謀が発覚した俊寛は、丹波少将成経と平判官入道康頼と共に流刑となっている。 成経・康頼と俊寛は、都での生活や残してきた妻に思いを馳せる。そこへ、赦免使を乗せた船が到着。成経と康頼は大赦となったが 俊寛は島に残すよう命ぜられたこと、そして俊寛の妻が清盛に逆らい打ち首となったことが伝えられる。生きる望みを失って慟哭する 俊寛をひとり残して、一行は船出するのだった。(新国立劇場「公演案内」より)