「愛の妙薬」のあらすじ:

舞台は、スペインのバスク地方。純朴な青年ネモリーノは若く美しい女地主の娘アディーナに恋をしており、 機会を見計らって愛を告白するが、気の強いアディーナは、全く相手にしない。一方、地元に駐在する軍隊の軍曹ベルコーレも 彼女に結婚を申し込んでいる。村の広場に行商の薬売りドゥルカマーラが現れ、1日後に効果が現れる「愛の妙薬」だと騙して、 ネモリーノにただのワインを売りつける。「妙薬」を飲んだネモリーノは、妙に自信を持って振舞うので、 自尊心を傷けられたつけられたアディーナは、1週間後にベルコーレと結婚すると言い出す。一週間後の結婚であれば、 明日には薬の効用で自分に恋心を抱くはずだと思い、ネモリーノは、相変わらずアディーナを無視するように振舞う。 腹を立てたアディーナは、今日中に結婚すると宣言したので、今度はネモリーノが大いにあわて、悲嘆する。 そこへドゥルカマーラがたまたま現れるのでネモリーノは、「妙薬」をもう1本売ってくれと頼むが、金策がつかない。 そこで、恋敵のベルコーレに頼み軍隊入りを志願し、前金を受け取る。一方、ネモリーノはなぜかナンネッタをはじめとした村の娘達に ちやほやされてしまう。娘達はネモリーノに彼のおじさんの莫大な遺産が入ってくるのを知ってのことであっるが、ネモリーノは 薬が効いたと思って、一人で喜んでいる。内心ではネモリーノに好感を抱いていたアディーナは、「妙薬」を手に入れるために ネモリーノが軍隊入りを志願したことを知り、 彼の純情さに打たれ、ついにネモリーノへの愛を告白する。ドゥルカマーラは、 得意げに薬の効き目を吹聴して去ってゆく。