「ルイーズ」のあらすじ

第一幕(ルイーズの家とその周辺)
 ルイーズはバルコニーに出て、隣りの家に住むジュリアンと愛を語り合う。母がそれを耳にし
て、あんな男と付き合ってはいけないと叱る。そこに父が仕事から疲れて帰って来て、食事を
とりながら幸せな家族の団欒がはじまる。食後、父はジュリアンからの手紙を取り出し、また
彼が娘との交際を認めて欲しいと言ってきているから、一度家に呼んで会って見ようかと、母に
言う。しかし母は定職のない男を家に招けませんど答える。父は娘に対し人生経験上、親の判断
を信じて、ジュリアンを諦めなさいと諭す。

第二幕 第一景(モンマルトルの丘の麓)
 ボヘミアンと呼ばれている若く、貧乏な芸術家達がジュリアンと一緒に来て、ルイーズをうま
く口説き落とせよと励まし立ち去る。ジュリアンはルイーズの職場に行く道で待ち伏せしている。
そこへお針子達が出勤してくる。その後母に送られてきたルイーズが現われる。母が立去った後、
隠れていたジュリアンが姿を現わし、駆け落ちを迫る。ルイーズは動揺するが、明日まで待って
といってその場を後にする。

第二幕 第二景(お針子達の仕事場)
 お針子達はおしやべりしながら楽しそうに仕事をしている。一人様子のおかしいルイーズに恋
でもしているからでしょうと冷やかす。そこに外からおかしな楽隊が演奏を始め、そこにジュリ
アンとギタリストが外で歌い始める。ルイーズは歌っているのはジュリアンだと気付き、病気を
理由に帰る。お針子達は今聞こえた歌が原因で病気になったと噂していると、外でジュリアンと
落ち合う様を目撃する。

第三幕 (モンマルトルの丘にある小庭)
 ジュリアンと同棲生活を始めたルイーズは、その甘美な愛のある生活に酔っている(アリア:
「その日から」)。ルイーズが自らの両親がいかに厳しかったかを話し始める。ジュリアンはエ
ゴイズムだと言い出し、二人はパリという大都会の魅力を高らかに讃え、愛を確かめ合う。
暫くすると、ボヘミアン達がやって来て芸術家万歳と騒ぎ出す。そこヘルイーズの母が現われ、
ジュリアンに父の具合がとても悪いので暫く娘を家に戻してくださいと哀願する。ジュリアンは
了解し、ルイーズは母に連れられ、その愛の巣を後にする。

第四幕(第一幕と同じ部屋)
 父は、娘の幸せのみを考えてきたのに、娘は親の気も知らず浮気者の気まぐれ男に夢中になっ
てしまうなんて全く情けないと嘆く。母は不機嫌さを隠さないルイーズに少しはお父様と打ち解
けなさいと諭すが、ルイーズは自分を彼のもとへ帰すと約束したのにと怒る。父はルイーズを引
き寄せ、子供の頃から可愛がってきたのにどうして家を出て行きたいのだと優しく言うが、娘は
自由になる権利があるはずと理屈を言い出すので父もだんだん興奮して怒り出し、ついに父は
「出て行け」と怒鳴る。突き飛ばされたルイーズは無我夢中で家を飛び出す。我にかえった父が
娘を追って外に出て行くが、もはや娘はもういない。失意のうちに「ああ、パリの奴め…」と父
は大都会を恨み幕となる。(公演プログラム:「あらすじ」の抜粋)