平成22年度 「区政を話し合う集い」

平成22年11月1日

[広報課長]
お待たせいたしました。ただいまから平成22年度第1回区政を話し合う集いを始めさせていただきます。今回は、6月に策定されました文京区の新たな基本構想に基づきましてテーマを設定し、区長を交えて意見交換をさせていただく形での開催といたしました。 本日は、区報やホームページをごらんいただいてご参加いただきました4人の区民の方にお集まりいただいております。大変お忙しい中、お集まりいただきましでありがとうございます。 初めに、成澤区長からごあいさつをお願いします。

[区長]
こんばんは、成澤でございます。区政を話し合う集いということでお声がけをしたところ、4名の方にご参加いただきました。ありがとうございます。 毎年、さまざまな形で区民の皆さんのご意見をいただく機会をつくっておりますが、試行錯誤を続けています。基本構想を策定するときは、パブリックコメントや無作為抽出の委員さんや、ワークショップや説明会、いろいろな手法で組み合わせたのですが、特定の案件に限ってご意見があるという方はいらしても、広くテーマに沿った、政治や行政の世界で言うところの熟慮、討議を、同じテーブルに着いてしようという区民の方はなかなかご参加いただけないということもあり、我々としても非常に悩ましいところというのが正直なところです。 今年はテーマ別という形で、個別の案件についてやりとりをするのではなく、テーマに沿って議論を深める、行政の職員も参加しての、小さなワークショップのようなイメージで企画をしましたが、このテーマでは4名しかご参加いただけませんでした。それでも、実りの多いご意見をいただけると思っています。次に予定していた福祉のテーマでは、1名しか申込みがなく、直接お話をしなくてもいいのではないかということで中止にいたしましたが、さまざまな試行錯誤を続けている状況ですので、本日を一つのきっかけにして、いろいろな意見交換が深められればと思っております。 まずは、ご参加いただいたことに心から感謝してごあいさつとします。どうもありがとうございます。

[広報課長]
それでは続きまして、本日参加しております区の職員をご紹介いたします。

(広報課長が区職員の紹介を行う。)

[広報課長] それでは引き続きまして、ご参加の方々のご紹介をさせていただきます。

(広報課長が区民の紹介を行う。)

[広報課長]
それでは、これから意見交換に入りますが、最初に確認事項がございますので、簡単にご説明させていただきます。本日のこの会の内容につきましては、後ほど整理をしまして情報提供をさせていただきたいと思っております。後日、2階にございます行政情報センターに、記録を閲覧できるように配備いたします。それから、本日の会の様子を記録させていただきますので、ご了解いただきたいと思います。 次に会の進め方ですが、本日は4人の区民の方にご参加いただいておりますので、まずお一人、2分程度でご意見をお話しいただいて、その後、いただいたご意見をもとに10分程度のディスカッション、議論をして、区長も参加して皆様で意見交換をしてまいりたいと思います。この組合せを4名の方に、順番に進めさせていただいて、終了は20時ぐらいを目途とさせていただきたいと思いますので、よろしくお願いします。 本日は机の小さな並びですが、傍聴の方もたくさんいらしておりますので、恐縮ですがご発言の際には挙手をして、マイクを使ってご発言いただきたいと思います。また、先ほど区長の話にもありましたが、本日は広く今後の文京区について一緒に考えていただくということですので、個別の案件につきましては、例示としてお出しいただくことは構わないのですが、具体的な個別提案につきましては、また別途、機会を設けてお願いしたいと思います。 それでは、意見交換に入ります。初めにA様からご意見を2分程度でお願いしたいと思います。よろしくお願いいたします。

[区民A]
いろいろと申し上げたいことはあるのですが、焦点を絞るよう言われていますので、できるだけ絞っていきたいと思います。
まず、先ほど区長さんからもおっしゃられたのですが、周知徹底がいま一つだったのかもわからないのですが、これだけの人数しか集まらなかったという事情について、関心がないということではないと思いますので、もう一度周知方法等を考えていただければと思いました。私自身、ホームページの片隅に出ているのを、ぎりぎりになって気がついたのですが、もう少しだれでも気軽に手を挙げられるような感じで周知徹底をしていただければ、もっといろいろな方が出てこられるのではないかと思った次第です。福祉の話も1名だったそうですが、再度募集するなど検討していただいて考えていただければと思います。 区として区民の声を聞くという姿勢についてはは大変ありがたいことだと思うのですが、個別の案件にかかってしまいますが、私は先日来、署名を集めて区長さんに提出させていただいており、そういった声も受け取ってくださることには大変感謝しております。さらに欲を言えば、それに対してどのようなお考えなのかをフィードバックしていただけると大変ありがたいと思っている次第です。 まちづくりの件についてですが、一言で申しますと、文京区はいいところがたくさんあると思うのです。歴史的な財産になるようなものもたくさんあって、他の区にはない趣がまだまだ残っていると思うのですが、そういったものを、文京区にしかない価値を生かすような形でまちづくりをしていったほうがいいと思います。例えば高くて大きなものをつれば人が来るだろうというような、短絡的な高度成長的な発想で後ろから追随していくようではある意味、後進の区になってしまうのではないでしょうか。そうではなくて、もっと時代を先取りして付加価値を高めていく。だれもがあこがれて、住んでみたいなと思うような町、散歩をしてみたいなと思うような町を目指されたほうが、全体的に、結果的には、長い目で見ると人も集まり、豊かな区になるのではないかと思います。 例えば、最近はどんどん大きな建物が建っておりますが、その中でも表参道ヒルズのように、あえて高くない建物で付加価値をつけているものもあるわけで、 ここの集客力はものすごいものがあります。こういったものをもう少し考えて、高ければいい、大きければいい、たくさん人が住めば税収が増えるというような発想を少し 転換されたほうがいいのではないかと思うのです。高さ制限ということも、現在、まな板の上に乗っているようですが、これはぜひ進めていただくことから始めていただくとありがたいと思っています。

[広報課長]
歴史的な遺産を生かしたまちづくりということで、高さ制限という話も出ましたが、高さ制限についてのご意見はいかがでしょうか。

[区民B]
高さ制限という以上に、部分的な集中、集まることについての我々の考える危機感を共有しておく必要があると思うのです。一例としまして、1つのビルを建てた汐留の例を挙げますと、汐留は実は、最近話題になりまして、東京湾の風が東京都内に来なくなって温度が上がるという現象が起きています。1棟だけビルを建てたのではそうなりません。ただ、それが複合的に多く建っていくことによって壁ができ、熱が遮蔽されて東京が暑くなるということがあります。 1つのビルについても全く同じことがありまして、そこに人がいっぱい集まる形になりますと、住むためにエアコンが要ります。 当然、窓がつく、熱が出る、そうしたことを考えますと熱排出もあります。そういう意味では、部分的に集中するという考え方そのものがいいのでしょうか。 要するに、適度な分散をしながらやるというのが、今の大きい流れではないかと思うのです。昔は確かに、エンパイアステートビルとか、高層ビルを建てて集中して、 他は空間をつくるという考え方もありましたが、やはり今の効率という点、それから環境という点から考えますと、必ずしも局所集中の形でないほうがバランスがと れるのではないかと思うのですが、いかがでしょうか。集中させることがいいかどうかということは大きい話題だと思います。高さもありますしそういう意味での集 中感という点をどう考えられるかを伺いたいと思います。

[広報課長]
部分的集中と分散という話も出ました。高さの話も含めて、いかがでしょうか。

[区長] 絶対高さの手続については、都市マスの中に一定の方向性を描き込んで、その後、具体的な都市計画の手続に入ります。これはこれで淡々とやっていくしかないと思います。そのことについても、受けとめる人によって判断基準が違うだろうと思います。個人の権利も当然、制限することになるし、主観と言ってしまえば一言で、終わってしまいますが、それをどう、大方の人のコンセンサスをとっていくのかというところが、最後は決め手になるだろうと思います。 今Bさんがおっしゃっていた集中集積についても、集中集積の基準があるわけではなく、人によって恐らく考え方は違いますし、当然、自分の権利を最大限に活用したいと思う人もいれば、 主権を制限してでも自分の考えている程度におさめたいと思う人もいて、これもどう、コンセンサスをつくるのかということだと思います。ですから、一般的に二元論で、 集中か分散かと問われると、私たちは明確な答えを今、紋切りで申し上げることはできないということになります。今後、それぞれの地域でさまざまなまちづくりを行っていく中で、 どうコンセンサスを得ていくのかということがポイントなのだろうと思います。

[広報課長]
この問題、もう少しお話を深めたいと思いますが、いかがでしょうか。

[区民C] 本日、実は先ほどぎりぎりに、絶対高さ制限のパブリックコメントを出してきたのですが、やはり今回の都市マスの中で高さ制限をするというのは、紛争を予防するとか、 いろいろな目的があるということですが、一番の問題は指定容積率を活用できる高さというように、前提としていることではないかと思います。指定容積率というのは容積の 最高限度ということで、それを活用して全部使うとするとやはりそれ以上、ゆとりがないと言いますか、法的にはそこが上限にもかかわらず全部それにそろってしまう危険性 があると思います。やはり、住環境とか景観とか、いろいろな要素を考えると、最高限度にそろえるような方向に誘導されるような、高層化を誘導しないようにするためにも、 そういう指定限度ぎりぎりで高さ制限をするようになるのはまずいのではないかと思いました。それを書かせていただきました。

[広報課長]
ありがとうございます。いかがですか。

[区民A]
区長さんがいみじくもおっしゃられた、いろいろな方のいろいろな利害があって、1つにコンセンサスをまとめるのが難しい。まさにそこが大変なポイントだと思うのですが、 そのために選挙を経て選出された区長がいらっしゃり、区議会議員の方もいらっしゃるわけです。まさに今、政治主導と言われているように、どうしたらもう少し、 みんなの笑顔が増えるのかということを、こういう方向性でやろうというポリシーを持つことが大事ではないかと思うのです。ポリシーに従って、こういうコンセンサスを 得ようとするからこそ、コンセンサスに至るのであり、それを例えば、コンセンサスがなかなか得られないからと、やりたい放題と言いますか、自由放任にしておきますと どういうことが起こるかといいますと、やはりお金持ちのディベロッパーさんとかが、好きなように最大限に空間を利用します。空間はディベロッパーさんのためにあるわけ ではなく、そこに住む市民全員の共有財産なわけです。ですので、もう少し声なき声を聞いていただけるといいと思います。

[区長]
細かい話、具体的な話は別の機会で答えてもらえばいいと思うのですが、区としての方針をどうつくるのかがまさに都市マスであり、その議論を現在しているわけです。 さまざまなパブリックコメントでご意見を、皆さんからもいただいていて、最終的には都市計画の手続に入るときには、都市計画決定を行うわけですから、審議会のご意見 をいただき、私が公選の区長として決定すればいいということです。それに、議会という場が二元代表制の中で、チェック・アンド・バランスの関係にあり、議会も最終的に、 結論を出さなければならないときには多数決原理で結論を出すというのが日本の社会の仕組みです。コンセンサスを求める努力を私たちは怠ろうということは申し上げておらず、 その努力を最後までした上で、それでも意見対立がおさまらないものについては、しかるべき手続に進むというのが基本原理です。
そのことについて、何もぶれているわけではありません。その原理原則にのっとってさまざまな手続を進めようということですので、民間に野放図にさせているのかというと、 絶対高さ制限を入れようということは、法の定めている全国的な基準を超えて、文京区のバージョンをつくろうということですから、あとは程度の問題ということです。 先ほどのCさんのおっしゃられた、それでは高いほうに逆に誘導してしまうのではないかというご意見を持つ方もいるでしょうし、もちろん自分の持っている権限は最大限に 利用したいという方も当然います。その中で、いずれの機会に文京区としては、こういう方向性はどうかというのを、具体的な数値で提案をして、そのことについてご議論 をいただこうということなので、流れとしてはご理解いただけるだろうと思います。それがAさんご本人にとってご納得のいく結論であるかは、制度や仕組みの話と、個人の 満足が得られるかどうかという話は、やはり別問題なのだと思います。

[区民A]
そうですね。

[広報課長]
ありがとうございます。それでは、次のテーマに話を進めさせていただきたいと思います。ご提案をお願いします。

[区民D]
私はこのような会に参加させていただくのは初めてでござまして、最近、文京区のホームページを見ることが多くあり、その中に、こういったことがあるということで、 まちづくり、環境、私の身近なところから感じたことでテーマを出したところ、定員に満たなかったということで参加になりました。先ほど、個別のお話ではなく大きな テーマということで話していただくということをおっしゃられていたのですが、私はわりと身近なことをテーマとして出してしまいました。それで許可されたということで、 個別のことを少しお話しさせていただいて、そこから文京区全体に通じるところでお考えいただきたいと思います。
私が住んでいるのは本駒込五丁目で、近くに富士前公園があります。そこそこの広さの公園で、住宅の中にあるので場所としては非常にいいと思うのですが、雨水貯留浸透 施設というものが地下にあるということで、そういった役目も担っている公園です。実はそこで、小さいころから子どもを遊ばせていて気がついていたことが、トイレがないのです。
おむつをしている年齢のお子さんを遊ばせるには問題がないのですが、おむつが外れた子どもですと、トイレはどうしようということで、我が家は100メートルぐらい離れて いるのですが、子どもがトイレに行きたいとなると、走って帰らなくてはいけないということを何回も繰り返したことがありました。そこそこの広さの公園ですので、トイレ がないのは何でだろうとずっと思っておりました。
それから、そこは四方が生活道路に固まれている公園なのですが、北東側の道が通学路に当たります。生活道路としてわりと、通学路だけではなく車も通る道なのですが、 そちら側が1メートルぐらい高くなっています。公園の設置場所が少し緩い坂になっていて、土を盛って平坦にしていると思います。その高くなっている通学路側に物置が3台、 大きい普通の家にあるような物置が2つと、さらに小さいものが1つ通路側に沿うようにして設置されております。物置ですので、下にブロックのような土台を置いて、その上 に乗っているのですが、1メートルぐらい高くなっているその上にさらにフェンスが、道路側に少し傾いたような形で、五、六十センチほどの高さのフェンスはあるのですが、 私はいつもそこを通るたびに、子どもがここを通っているときに地震があって、上から物置が落ちてきたらどうしようと考えます。 しかも、高くなっているところにさらに 物置がありますから、公園の見通しが非常に悪いのです。物置のすぐ横に滑り台等々、小さい子が遊ぶようなところはあるのですが、非常に不安定な場所に物置が設置されて います。多分、その中は地域の防災用具等が入っているのかと思っているのですが、非常にそこが危ない。そういったものの設置基準はないのだろうかということを感じていました。
公園ですので、今はどこでも野球は禁止とか自転車は乗り入れてはいけない等があるのですが、そこにもキャッチボール、野球は禁止と書いてあります。自転車も乗り回さない と書いてあります。キャッチボール、野球は禁止で、ではサッカーはできるのかというと、実はそこは、先ほど申し上げた雨水貯留浸透施設があるためか、コンクリートと鉄の 格子のふたというのがありまして、段差が結構あります。木の根っこの段差ももちろんあるのですが、そのほかにコンクリートでつくられた、あまり今の子たちが活用するのも どうなのかという、船をかたどった古い遊具があったり、公園の半分は平地ではなく、階段があって、その上に藤棚のようなところがあります。活用が非常に難しいと思うよう な場所があり、半分、あまり有効に使われていないイメージがあります。非常に場所はいいのですが、そういったことで子どもが喜んで遊びに行く場所にはなっていません。 近くなのですが、少し遠出してでも他のところに行くということになっています。
個別のことで大変申しわけなかったのですが、これは防災対策あるいは見通しの意味での防犯、それから子どもたちがけがをしないようなことという意味で、他にもそういった 公園があるのであれば、子どもたちあるいは地域の人たちが安全に、散歩なり遊んだりしたい場所にするためにも、トイレの設置あるいは物置等の移動、あるいは段差、あるいは 半分は活用されていないのではないかと思うような特性等々を、少しご検討いただけたらなと思って本日は参りました。
個別の案件で申しわけありません。お願いいたします。

[広報課長]
ありがとうございました。公園のあり方、安全その他の面からということです。

[区長]
富士前公園に限らず、文京区の公園は老朽化したものが実はとても多いのです。戦後、荒廃したかつての本郷区と小石川|区が一緒になって、次々に公園や児童遊園をつくってきて、 富士前公園も恐らく50年近くなるのかというぐらいの古い公園です。目白台運動公園のように新しい公園もつくっていますが、古い公園をどうリニューアルしていくのかというのも、 我々にとっての課題だと認識しています。今年度、公園整備のガイドラインに当たる公園再整備計画というものを、土木部を中心に現在、つくっているところです。どの公園をどう いうふうにしようというところまでは踏み込まず、今後、文京区の公園をどういう公園にしていこうかという基本的な考え方をまずまとめようということです。その次に、具体的な 公園をどう改修していくのかということについて、一度にできるほど予算は潤沢にありませんから、順序立てて、老朽化しているところから手をつけていくことになります。それを 現在まとめている最中です。
トイレを公園に設置することについては、十分な議論が必要だと私は思っています。お子さんがトイレに行きたいと言ったときに、近くにトイレがあるにこしたことはないのですが、 現実には、トイレがある程度の規模の公園というのは、タクシーの運転手さんがそこのトイレを利用したり、水回りが多くあるところはホームレスが居つく可能性も出てきます。 子どもたちが遊ぶ公園からすると、むしろトイレを設置することによって、逆の誘導をしてしまうこともあり得る。公園の整備をするときには、私たちで勝手に決めませんから、 実は富士前公園の話は○○町会の会長からも前々から言われていまして、何とかトイレをつくれないかという話もいただいており、先日も同じような話をしたところですが、諸刃で あると思います。
あと、防災倉庫の設置基準というものはありません。あれは基本的に区が物置のようなものを各町会に貸与して、ほんとうは町会の中でどこか民有地に置いてくだされば一番いいの ですが、なかなかそういう方もいらっしゃらず、公園に置き場所を提供してさしあげているということです。

[企画政策部長]
あれはもともと、安全を前提とした貸与をしていますからそういう問題があれば対処します。

[区長]
ただ、Dさんご心配なのは、そこがちょうど高いところだから、大きな地震で倒れたときに、ちょうどそのとき下に子どもがいたら危険なのではないかということだと思います。

[企画政策部長]
基本的には貸与ですから、場所は各町会で見つけていただきます。ただ、文京区は狭いですからなかなか難しく、公有地を貸している場合があります。その場合は基本的には安全が 大前提ですので、もしご心配ということでしたら、公園も含めて確認をさせていただいたほうがいいと思います。

[区長]
具体的なお話ですから、その防災倉庫が安全な状態で、つけられているかどうか、ブロック等上にただ乗っているだけなのかなど、チェックするポイントはあるでしょうから、 それは調べてみます。何らかの形でご回答するようにしたいと思います。公園一般についてはそういうことです。 ここ1カ月ぐらい、東京新聞で千駄木の須藤公園のことについてもたびたび報道されているのですが、区民の皆さんに非常に親しまれていて、須藤公園は地域の町会の皆さんたちが 中心になって、清掃作業などを自主的にやっていただいています。ところが、そこに何本も木が植わっていて、それを樹木医さんが診断したところ、倒醸の危険性があると明らかに なって、さきほどの防災倉庫と同じで、倒れてしまって前の家にご迷惑をかけたり、歩行者にけがをさせたりということがあってはいけないので、泣く泣く伐採します。そのように 少しずつ手を入れながら、公園をどれだけ長持ちさせていくことができるか。
それと、数年前に遊具の設置基準、安全基準が変更になりました。児童遊園や公園に行かれると、あったはずの遊具がなくなって、間引き状態になっているのを見かけられることも あると思いますが、あれは安全基準が変わったので、す。いったん撤去したり、安全基準を満たしていないものは取り外したままになったりということも出てきており、公園について は冒頭、申し上げたように再整備計画の中で基本的な方向性を明らかにしていきたいと思っています。

[広報課長]
そのほか、公園についてご意見をお願いします。

[区民B] 今、公園の遊具の基準が変わったという話があったのですが、先日テレビを見ていますと、中国等では少し年を召された方が同じ公園に行って体操なり、ストレッチをする遊具が置かれているところがあるのです。どうしても公園というと子どもの滑り台などに傾きがちですが、高年齢化するということを踏まえると、公園のもう一つの使い方という意味合いでは、先ほどのストレッチの、お年を召された方の遊具といいますか、そのようなものをぜひとも考えていただくと、もっと幅広く公園が使えるのではないかと思うのですが、いかがでしょうか。 [区長]
北京の天壇公園に行ったことがあって、あそこは土曜日とか日曜日に行くと、お年寄りの人たちが大きな筆を持って、水書道というのをやっている人がいたり、柔力球、ラケットで あったり、太極拳をやっている人がいたり、いろいろな人が集まっています。では、何かあるかというとあまりないのですね。殺風景で、基軸線に沿っていろいろなものがあるだけで、 あとはそれほど施設はないのです。
実は、児童遊園は10年ぐらい前から、三種の神器を置く必置規制がなくなりました。
それを受けて、児童遊園だからといってブランコや滑り台を置く必要はないとなって、本郷三丁目の、かつて春木町児童遊園と言っていた公園は今はほとんど遊具がありません。
そのかわり、あそこは近くに専門学校があるので、学生たちが昼、お弁当を買ってきて食べるなどの利用が噌えていて、児童遊園を廃止して近隣公園にしたというやり方もしています。
その場その場に合った公園のつくり方をしていかなければならないと思いますし、すべてが子ども向けの公園である必要もない。かつてに比べて、公園デビューというのも実は少なく なっているようです。公園デビューという言葉がはやった時代は、公園ぐらいしか若いお母さんが仲よくなる場がないから、友達をつくれる場でデビューできるかどうかが一つの試金石 になっていたことがあるけれど、子育て広場が文京区内にも何カ所かできていて、ここにぴよぴよひろばがあったりという中で、お母さんたちの交流の場も複数化してきたので、公園 だけではないというようにもなってきているようですし、その時々のニーズに応じて公園も生まれ変わるのだろうと思います。

[区民C]
本日は区長さんの生の声が聞けて大変いいと思っているのですが、Dさんのおっしゃったように小さいお子さんを連れていらっしゃると、やはり不便なことはあると思います。
あと、危険を感じて、不安なこともあると思うのです。やはりそれは、不安を感じている方に何とか不安を取り除くような対応を、設置基準とかは置いておいて、考えていただきたい ということです。また、私たちは仲間で、本郷の元町公園で自主管理公聞をやっているのですが、水をお借りして草花を育てているのですが、水はやはり大事です。ホームレスもいますが、 友好的にやっていますし、ホームレスがいいというわけではありませんが、ホームレスが多いというのはまた別の問題で、それだからトイレをつくらないとか、水場をつくるのはと いうのは、少し変なのではないかと感じたので、一言言わせていただきました。

[広報課長]
ありがとうございます。Aさん、お願いします。

[区民A]
ちょうど元町公園の話が出たのですが、文京区には非常に古い公園があります。歴史的な遺産的価値のあるものをつぶして、そこに体育館をつくるというようなことのないように、 歴史的なものをできるだけ守っていく、継承していくという方向で、そういうポリシーでコンセンサスをつくるようにやっていっていただけると、文京区らしさが出るのかと思います。

[広報課長]
ありがとうございました。

[区民D]
先ほど、水回りのお話も出ましたが、タクシーの運転手さんが利用するとか、あるいは水回りがあるとホームレスの方がというお話が先ほど区長さんからありました。私は逆に、 タクシーの運転手さんが利用してくだされば、大人の目があって子どもたちが遊んでいても安心と思います。ホームレスの方は、今はトイレはありませんが、公園を利用されて いらっしゃいます。そういったことは関係なく、通常あるべきものがないということのほうが問題なのではないかと思っていますので、そのあたりもお考えいただいて、トイレ の設置は難しいとおっしゃいましたが、利用しやすいトイレがあるというのはだれにとってもいいことなのではないかと思いました。

[広報課長]
ありがとうございました。
それでは、続いてのテーマに移らせていただきたいと思います。Cさん、お願いします。

[区民C]
続いてのテーマといいますか、似たようなことですが、私は住環境の点についてです。
先ほどぎりぎりで、気がついて申し込まれたと言いましたが、ぎりぎりで、気がついた方にさらにぎりぎりで教えていただいて、もっとぎりぎりで申し込んだので、自分が何を 書いたか少しよく覚えていないのですが、今、基本構想から都市マスタープランに入って、本日、高度地区の指定方針のパブリックコメントが終わったのですが、基本構想にし ても都市マスタープランにしても、文京区の魅力というのはやはり歴史とか文化の遺産的なものだということは共通の認識になっているようです。それは低層住居地域の、都内、 都心では珍しく第一種低層住居専用地域がたくさん残っているということで、住居地域が一番、用途地域でたくさんのパーセンテージを占めている区なので、その辺の落ちついた たたずまいというものが文京区の魅力となっているにもかかわらず、特に第一種低層住居専用地域の中ですが、そのたたずまいがここ一、二年でほんとうにひどい状態になってき ています。
うちの周りも第一種低層住居専用地域ですが、今は空き地とコインパーキングと工事現場ばかりになってしまっています。細分化されて、それはいろいろな事情がおありなので しょうが、その後に入ってくるものがひどいということで、大型クレーン車、10メートル規制なのですが、その3倍以上あるような大型のクレーンが、道を堂々と全部ふさいで 工事をしているという状況で、少しこれは異常なのではないでしょうか。今までも、私の家も3代住んで、そのうち2回、建て替えましたが、一度も公道をふさぐという形でやった ことはありません。大型クレーンも入りませんでした。ところが最近、建築基準法の改正か何か知りませんが、ほんとうにぴったりと隙間なく、小さい建物が建ってしまいます。 敷地ぎりぎりに建っている、これがほんとうに第一種低層住居専用地域かと思うような有様です。
建築士の方に伺ったら、建築基準法の改正で、容積率に入れないでいいところが増えているということで、囲って、中に空地エリア、ドライエリアや駐車場など、壁の中に囲って しまって外側が壁になっていても建ぺい率60はいいとなっているのだそうで、少しこれではとても落ちついたたたずまいや雰囲気などが守れないという感じが非常にしています。 危機感を持っています。
それで、クレーン車がこの問、本郷三丁目で倒れました。それはやはり、狭いところに無理に大きなものを入れると、どうしても安定が損なわれて倒れたりするということもあって、 麹町では死人も出たということです。やはり、その町のスケールに合った道路とか、合ったものがあることが、その町らしさということにもなるし、あまり業者の言いなりというか、 法の間隙を縫うような形での開発を認めるのはどうかと思っています。合法だということですが、個人の権利もあるのでしょうが、今、マスタープランでも魅力を守る、魅力と言わ れているもの、将来の姿まではほんとうに賛同できるのですが、その次の段階、では、どうするかというところになると途端に、これでは守れないという形になってくると思うのです。
例えば、今度の高さ制限もそうですが、もう少し人口増加を目指すような開発型から、生活の質を守るとか高めるような、縮小型に転換する時期ではないかと私は思います。それには やはり思い切って、欧米のように権利の制限というものも考える時期ではないかと思っています。この町に住むのであれば、この町のルールに従ってくださいということもできるので はないかと思います。今、建築紛争が増えているのですが、それはほとんどがスケールの大き過ぎるものに対して、個人の人たちの集まり、1人ではないにしてもそういう対立構造に なっているわけで、決して住民と住民の問で、争っているというものはあまり多くないように思います。どうしても大きなディベロッパーや、例えば私たちの近くであれば今までに ないようなワンルームマンションが入ってきたりなど、やはりその町のたたずまいを壊すような形で、入ってくるということは、もうそろそろ規制していかないと、せっかくの、 マスタープランなどで目標とするものが達成できないのではないかと思います。
少し長くなりますが、文京区のまちづくりについてです。行政訴訟が文京区は大変多いと聞いています。やはり、住民と区が争っているのは変な形で、ほんとうであれば、住民と区 が一緒にマスタープランなり、基本構想に沿って、ディベロッバーさんと争うというのが普通ではないかと思います。その辺も異論がおありでしょうが、やはり住民参加で丁寧に まちづくりをしていくためには、そろそろまちづくり条例もつくったらいいのではないかと思っています。今までも何度か、まちづくり条例という言葉は出てきましたが、必要ない ということで来ました。やはり自治基本条例のあと、何も進んで、いない、一歩も住民参加が進んでいないということを考えると、やはりもう一つ、自治基本条例の下にある、 それを具体化するような条例がそろそろ必要な時期なのではないかと、思っています。
区民のほうからそういう機運が高まらないという声も聞きますが、周辺の都市、町ではそろそろ検討委員会ができているところが多く、友達のやっているまちづくり条例検討委員会 をこの間、傍聴してきましたが、住民参加の委員と団体代表の委員など、20人ぐらいですが、傍聴者が50人ぐらいいます。すごく関心が高いのです。そこは住民が陳情してつくること になったようですが、文京区ではまだ陳情はないかもしれませんが、ぜひ区長さんの牽引力というか、主導で、まちづくり条例も検討に入っていただければと思います。

[広報課長]
ありがとうございました。まちづくりと開発や規制、条例といったお話でしたが、いかがでしょうか。

[区長] 幾つか聞いていて気になった点だけ、反論するつもりではありませんが、行政訴訟が他の区に比べて文京区が多いという印象は、基本的にありません。「多かった」であれば、 うなずくかもしれません。監査請求もかつては多かったかもしれませんが、今は聞きません。
自治基本条例以降、住民参加が進んでいないという意識も、実はありません。さまざまな住民参加、本日のこの会も試行錯誤の一つだと申し上げましたが、本日のこの場も、 さまざまな住民参加の機会をどうやって保障するのか、パブコメや説明会での質疑応答だけではなく、テーマ別のものもやってはどうかということで、いろんな試行錯誤を続け ているところです。自治基本条例以降、住民参加が進んでいないと言われると、少し悲しくなります。
それと、まちづくり条例が万能薬だとは思っていません。例えばまちづくり協議会への助成やコンサルタントの派遣や、さまざまな実際の作業を積み重ねていくことが、私は 大事だと思っていて、初めに条例ありきで、それによって何か結論まで一気に導かれるというようなものでは、そもそもないだろうというのが私の認識です。
それと、ワンルームマンションは、西片のことでしょうが、ワンルーム規制条例を強化してから、文京区でいわゆるワンルームマンションは激減しています。これはデータに なっています。ですが、必ずどこかに基準があるので、その規制の範囲より少ない、若しくは一部屋当たりの平米について、当然これも基準があるので、そのぎりぎりで、 建物が建つケースはあると思います。これは、例えば絶対高さ制限でも、さっき人によって感じ方の意味が違うという話をしましたが、どこで、切ったとしても、その端境では 当然、議論は起きるはずですから、それと同じかと思います。
空き地とコインパーキングばかりということに同感です。これは実は、第一種低層住居専用地域に限っていません。文京区は現在、商業地でも空き地とコインパーキングだらけ になっているのだろうと思います。ここ数年、文京区の人口は、住宅着工件数がほぼ2年後に人口が増えたり減ったりにあらわれるという人口動態ですが、ここのところばたっと とまっているから、人口増も19万人は回復しましたが、かつての勢いほど増えていません。そちらが動くかどうかによって人口のことは出てくるはずです。それと、あとは転入 を増やすべきなのかどうかについては、これは開発、土地活用だけの話ではないと思います。私はもう少し人口を増やしたほうが、文京区が持続可能な社会、それは世帯問の負担 の関係からいっても、子育て世代、担税能力の高い子育て世代をもう少し増やしたほうが、文京区にとっては将来的に、土地活用の意味だけではない、いいまちづくりができると いう考えです。
今のところは、とりあえず終えておきます。

[広報課長]
他の皆さん、いかがですか。
職員からもいかがですか。よろしいですか。

[都市計画部長]
今のご質問の中で、現在の町がなかなか守れない状況になっているというお話があったかと思うのですが、実は、守ろうと思えば現在でも守れないことはありません。先ほどの、 コンセンサスの話もありましたが、地域にお住まいの方々がまさにコンセンサスを得て、自分たちの町をこういう町にしようではないか、こういう用途の建物は排除したいなど、 そういうことがまとまるのであれば、地区計画という手法がございます。お聞きになったことがあると思いますが、それは現在でもできることです。ただ、先ほどから議論に なっているように、コンセンサスを得るということは、そんなに簡単なことではなく、ある何人かの方では同じ考えでまとまることはあり得るのですが、地区計画というのは 一定程度の大きい面積でかける制度なので、そういった大きなエリアの中で、一つの考えに基づいて、目標に向かつてみんなで一緒に進もうというところまでまとめていくという ことは、並大抵の話ではありません。区がそういうことを仮に手がけたとしても、なかなかできないというレベルのものです。
自分たちの町をどうするかということは、決して区が、こういう町がいいと押しつけるのではなく、やはり地域にお住まいの方々が、自分たちの町をどうしたいかというところ から出発すべきだと思います。そこに住んでいて、一番影響を受けるのは住んでいる方であり、役所が一番影響を受けるわけではないということからすれば、やはりそこに住ん でいる方々が、自分たちの町をどうしたいかということを真剣に考えて、そういった合意形成を図って、まちづくりに向かつて進んでいくということになろうかと思います。我々 もまちづくりを進めるときには合意形成というのを目指して、いろんな話し合いですとか、コンサル派遣だとかということで支援をやっているという状況です。

[広報課長]
Bさん。

[区民B]
先ほどコンセンサスの話もありましたし、住民の、住んでいる方皆さんのコンセンサスを得て、いろいろな建物なりをつくっていくという話もよくわかるのですが、先ほどの話 に若干戻ってしまうのですが、例えば喫煙の話があります。町を喫煙して歩いて何が悪い、私はたばこを吸う権利がある、という話です。ただ、文京区は、このシビックセンター の周りを含めて禁煙になっていて、歩きながらではできません。つまり、個人の、私がよければいいということと、グループ全体ないしは地域全体のベストの形はやはり違う部分 があると思います。ですから、住民一人一人がたばこを吸えるのに、何で区がそれをとめるのだというロジックよりも、全体的に見たときに喫煙をして何が起きるかという観点で 区が、ある意味ではバランスをとってあげる、それが必要なのではないかと思います。
先ほどビルの話を、汐留の話で若干しましたが、1つのビルは何の問題もないかもしれません。ただし、それが集まることによって何が起きるかということです。ですから、 一歩高いところ、ないしは全体的な視野、ないしは時間的なものを見据えた上で、そういう判断をしていかなければいけないと思うのです。個人個人のコンセンサスも重要だと思 いますが、ぜひともそこに、全体を見た上でどういう形がいいのかという判断をもって基準の設定とか、全体的な見直しというものをやっていただければと思います。

[広報課長]
Aさん、お願いします。

[区民A]
地域の住民の中で合意形成を図ればいいではないかというお話だったと思うのですが、うちの近所の坂道をどのように開発するかという話になったときに、区役所の道路課からの 説明会がありまして、このように業者が開発するつもりですと説明されて、そんな話は聞いていないとか、こういう道路にしてほしいとか、そのときに大分、住民から要望が出ま した。その要望を踏まえてもう一回、練り直しをするのかと思ったら、それで終わりになって、業者の計画どおりに着々と開発が進められるということがありました。そういうこ とを見ていると、住民のほうも、どうせ何か言ったって好きなように決められてしまうということで、だんだん、政治不信ではありませんが、やる気がなくなってきてしまいます。 やる気がなくなるのはおまえが悪いのだと言われてしまえばそれまでかもしれませんが、そういうことの繰り返しをしているようでは、一向に進歩しないのではないかと思いました。

[広報課長]
ありがとうございました。
Cさん。

[区民C]
いろいろ皆さんのご意見、ありがとうございます。さっき、都市計画部長さんのお話で‘少し感じたのですが、例えばうちの町は町会で、マンションができるたびに、その事業者と 管理協定を結んでいます。住民の生活を守るという意味では、コンセンサスは一応できているわけです。ところが、やはり合法だということで住民の権利が非常に侵害されるような ものが建ってしまって、あっせんをお願いして区に間に入っていただいたのですが、区のほうもやはり、業者の立場に立つといったら変なのですが、業者ももうけなくてはならない ということをおっしゃいます。そのとおりなのかもしれませんが、合法ということが一番大きいのでしょうが、やはり何か、幾ら住民がまとまってもどうにもならないことはいっぱ いあるのです。
それで、管理協定もできて工事協定も渋々結んで、建て始まった途端にやはりお隣との境界の塀が壊れてしまいました。もう最初から見えているのだけれど、それをどうにも取り 締まれないルールというのは、やはりもう少し、足りないから上乗せして、区も一緒に戦っていただきたいというのが本音なのです。

[区長]
お気持ちはよくわかります。実はローカルルールをどうつくっていくのかという議論だろうと思うのですが、一般論から言って、法を超える条例はつくれないのです。例えば絶対 高さ制限などは、法によって絶対高さ制限をかけることが認められているからできるルールで、法を超えていません。細かい基準を知らなくて申しわけないのですが、さっきCさん が問題提起されていた、大きなクレーンが入るではないかということは、これが法の基準を超えていれば、道路管理者なり警察なりがその車両を使うなということは当然、できる わけですが、その法の中で、条例等によって細かな法準をつくっていいとなっていない限りは、そういうローカルルールをつくることが違法になるのです。そうすると、逆に言う とそのことで行政訴訟を受けることになるわけです。ですので、ローカルルールのつくり方というものは一定、限界がある中でどうつくっていくのかということがもともとの我々の、 行政にしろ議会にしろの限界であって、そこでの議論と、皆さんたちの、もっと区は踏み込めるのではないかという意識の差が、多分、ご不満につながるのだろうと思います。

[区民C]
不満ももちろんありますが、やはり安全を第一に考えれば、例えばクレーンの性能、どのぐらいのスペースで、どのぐらいアームをおろしたらどうなるということはあるわけで、 それは建築基準法や道路法には合っていても、絶対無理なこともあります。現実に倒れてしまう。

[区長]
個別具体の話になるとそういう話になってきてしまいますが、いわゆるローカルルールとはそういうものだということは、やはり理解していただいた上で、どうとめるかという話 になります。区行政がそれは危ないのではないかと、何の基準もなくとめに行くことは現実にできないことです。

[区民C]
基準が、要するに追いついていっていないのです。だから法改正しなければならないということもよくわかっているのですが、それはもっとものすごく難しい。合意形成と同じぐ らい難しいし、同じように、やはり地方の町を守ろうとしているところでは、まちづくり条例が法に抵触してしまって、争っているところもあります。そのぐらいの気概があって もいいかと、少し思っています。

[広報課長]
ありがとうございました。
それではBさんにご意見をいただきたいと思います。お願いします。

[区民B]
大分、皆さんのお話が出ましたので、私の話す部分は余りなくなってしまったのですが、1つまずトピックスとして、私は実は住環境のことをぜひお話しさせていただきたいと思って いました。法律ないしは建築の基準というものを超えた例が最近あるのは、先ほど言ったエンバイアステートビルがマンハッタンにあるわけで、すが、1930年ぐらいにつくった非常に 古いビルで、す。今でも建っていますが、最近このビルのガラスとか、エコビルディングに現在変えている途中なのです。ご存じでしょうか。
これは何の力で動いているかというと、前の大統領のクリントンさんのやったイニシアチブで、クリントン・クライメット・イニシアチブ、CCIというのがあります。これのもとに 皆さんがドネーションしたりして、ビルの、例えば窓を3重にするとか、先ほども会が始まる前に調整されていましたが、エアコンディショナーは、古いものはオン・オフ制御しか できません。暑かったらとまる、寒かったら入るみたいなことなのですが、それを連続的に可変できるシステムに変えたりしていまして、私が少し調べましたら、全体の修理工事が 大体500億ぐらいかかるのですが、今回、追加したのはそれの一部分で済んでいます。大体2,000万ドルでビルの窓ガラスなどを変えて、その結果、年間4億円のエネルギーの改善効果 があったということです。古いビルでも新しくつくり直すなり、見直すことによってエコに優しい地球環境にいいものができていくわけです。例えて言いますとこのシビックセンター ももう10年ぐらいになりますので、改築される場合はぜひとも成澤さんのクライメットイニシアチブをやっていただいて、もっとエコな、環境に優しいものを直していただくなりつく っていただければと思います。
それで、先ほどから話が出ている中で、今がよければ、ないしは今が持続すればいいという考え方はもう古くて、我々が十分悪いことをしてしまっているのです。車も乗ったし、食べ るものも食べ散らかしたし、ビルも建ててしまった。ですから、どこに戻るかというものはなかなか判断としては難しいのですが、私どもの住む住環境は、この一、二年前に戻すので はなく、もっとあるべき姿のところに戻すような、考えを持ってぜひともプランを立てていただければと思います。その意味では、法律とは何なのか、環境法だのいろいろ出てくるか もしれませんが、先ほどのクリントンさんのイニシアチブは大統領時代にやり始めたわけですが、ぜひともこれを同じような形で、文京区が他区に先駆けてやっていただきたい。住環境 という意味合いでは、公園、庭園等も非常に多いわけで、すぐれたバックグラウンドはあるのですが、それが悪化されることは、皆望まないと思います。その部分に関してはぜひとも 目標をもう少し高く、5%などと言っておられますが、5%ではなくもっと高い基準で、文京区のもともとあった自然の姿に共存する、共生していくというまちづくりにぜひとも方向性を定め てやっていただけるといいのではないかと思っております。
他にも、ビルが建ったり道路に車が多いということはありますが、この前、コメントを求められたときにも少し書かせていただいたのですけが、電気自動車など、これから増えていくも のに対しての助成など、少なくとも区の中でどうすれば町がよくなるのかというものを、具体的な案として提示していかないといけない。これは単純なコストだけではないのです。相当、 お金をかけないと、もとに戻りません。私たちがほんとうに食べ散らかした町になってきていますので、そこのところは思い切って、ぜひとも行動計画を立てて実践していただくことを お願いしたいと思います。

[広報課長]
ありがとうございます。都市化が進む中、住環境をどうやって両立させていくのかと、大きな視点でというお話だったのですが、いかがでしょうか。

[資源環境部長]
環境を担当しているセクションですが、ローカルですが文京区の地球温暖化対策地域推進計画というものを3月につくりました。その中で、一定目標を置きまして、中期目標としては CO2の8%、長期目標としては12%削減ということで、区民の皆さん、事業者の皆さんと一緒にCO2の削減に取り組んでいくという計画をしています。ある程度、お金がものすごくかかります。 この庁舎をLEDに全部替えるにしても相当のお金がかかるということは当然ですので、お金をかけないとCO2の削減など、もっと前のいい環境には戻れないということは事実です。
細々ですが、省エネ機器の助成とか、太陽光発電は3キロのもので200万ぐらいかかるのですが、1キロワット5万円など、そうした助成をしています。これもかなり今、申込みも来て おりまして、前期、後期で申込みを受けています。そういう意味では区民の皆さんの、CO2に対する削減の意識は結構進んで、います。これをもとに、啓発も含めて、文京区として取 り組んでいくことを考えておりますので、一定のご理解をいただければと思っております。

[区長]
Bさん、今、部長から説明した地球温暖化対策地域推進計画の目標数値は、今のままの生活を区民がしていて、省エネ行動もしなければ環境に優しい機器に交換もしないでいた場合、 実は4日に1回、丸1日電気を全くつけず、じっと家の中でお湯もわかさず何も食べずにいないと達成できない目標なのです。さまざまな行動を、区民の皆さんと一緒にやって、初めて その目標が達成できます。それでも、25%と国で、言っているところから比べると、低い目標設定にせざるを得なかったのです。これは、区行政も当然がんばるし、ライフスタイルを この国がどう考えていくのかという問題にも、多分つながることだろうと思います。
アメリカの例もご紹介いただきましたが、例えば本日はまちづくりも1つのテーマですが、アメリカのホームレス対策で有名なロザンヌ・ハガティという女性がいて、チェンジメーカー という言い方をアメリカでします。日本で、鳩山総理が新しい公共と言うと何か変な感じだといって、我々も基本構想の中で似たような言葉を使って、ほんとうに大丈夫なのかと、 いろいろご意見をいただきました。アメリカで、チェンジメーカーと言われている人たちが何をやったかというと、廃墟、スラムになりかかったホテルやアパートをドネーションに よってリニューアルしていって、そこにホームレスの人たちを住まわせることによってスラムを消していったという歴史があります。そういうまちづくりの土台というものは、残念な がら今の日本にはないのかもしれませんが、企業のドネーションや市民のドネーションを使いながらまちづくりをしていく。例えば、歴史的な建造物で守らなければならないものが もしあったとしたならば、区に買い取れというだけでは恐らく解決せず、企業や市民がどう参加をしていくか。千駄木にある旧安田邸などは、ナショナルトラストの運動によって確保 されたわけですが、そうした市民の役割というものも、もう一度、焦点を当てていく必要があると、お話を聞いていて思いました。

[広報課長]
Bさん、お願いします。

[区民B]
ドネーションの話が出ましたので、私も成澤区長のツイッターをたまに見させていただいております。ツイッターというのはどこまで日本で根づくのかわからない部分がありますが、 先ほど冒頭からの話で、区民がどのように情報を知って、どこでどんなことを悩んでいるのかということをぜひとも共有できるような場を、もっと幅広く設けてもいいのではないか と思います。区長のツイッターを見るのもいいのですが、先ほどの環境の件も含めまして、結局どれだけお金をかけてどういうことをやっているのだ、ないしは何が困っているのだ というものを共有しないと、我々の、今日こうやって話していることは知らない方が多いと思うのです。あとで議事録等々が出るという話がありましたが、ぜひともそういう意味で は、文明の利器というようなものではないのでしょうが、そのようなものを使ってなるべく、悩んでいる点などの部分を共有して皆さんの協力を得られるように、ぜひともお願いで きればと思います。

[広報課長]
ありがとうございます。そのほか、ご参加の皆様、よろしいですか。
では、Cさん。

[区民C]
環境問題で、LCA、ライフサイクルアセスメントという考え方がありまして、1つのものができてから廃棄されるまでのエネルギーというものを考えるというやり方ですが、それで 考えると、現在は更新が早過ぎて、赤坂プリンスホテルが30年で壊されるとか、日立の本社が25年で壊されるなど、そうしたことをしていると、幾ら庶民一人一人が4日に一遍食べ なくても、全く追いっかないと思います。やはりもう少し社会全体の方向を、スクラップ・アンド・ビルドから、変えていかなくてはならないのではないかと、ほんとうにひしひ しと最近、思っています。

[広報課長]
ありがとうございました。
それでは、そろそろ時間になりましたので、本日のディスカッションはこの辺で終了させていただきたいと思います。最後に成澤区長、お願いします。

[区長]
皆さん、どうもありがとうございました。限られた時間ですが、さまざまなご意見をいただけで、私は大変、ためになったと思います。冒頭、Aさんから周知方法等について苦言 もありましたが、どうしていけばいいのかと正直思います。区報とホームページという基本的なツールは使っています。ホームページは見にくかったというご指摘をいただきまし たが、区報はそんなに見にくいところにあったとも思いません。見落としたとして、では、逆に区報を隅から隅まで読んでくださっている区民の方がどれだけいるのかというと、 なかなかそれも難しいのです。正直、ご指摘はごもっともと思いますが、解決策はなかなか難しく、悩みどころです。
Bさんが最後におっしゃったツイッターのような、新しいソーシャルメディアサービスを活用するということも1つのやり方ではあると思いますが、それは今度、管理がとても難し いのです。かつて電子会議室というようなことをやった自治体が、いろいろあって、国の補助金などを受けて、どこも最後は荒らしに遭って、大学の先生たちが外部委員的な立場 で荒らしをおさめようと誘導して、対立の関係を解消しようとするのですが、結局だめで、どの自治体もほとんど閉鎖しています。私は試行錯誤を続けていると申し上げましたが、 その点についてはこれからもさまざまな手法を研究してみたいと思います。
まちづくりの話で、この問、おもしろい話とレポートを読んだので、最後にご紹介しておきたいと思います。さきほど元町公園の話がありましたが、お茶の水女子大学がかつての 湯島聖堂のところから医科歯科大学のところまであり、あそこに女子高等師範学校があったから、現在大塚の地に移ってもお茶の水という名前がついたというのは有名な話ですが、 お茶の水女子大学がなぜ今の場所に移ったかというと、今の外堀通りができて、大学のキャンパスとして手狭になったから大塚に移ったのだそうです。より小規模で済むといって 手を挙げた医科歯科に、その後全部譲ったというのが歴史的な経緯だそうです。あれは震災復興です。外堀通りはすべてがそうではないのかな。いい悪いは別にして、あれもスク ラップ・アンド・ビルドなのです。それが今で言えば、歴史的な価値を持つようになってきています。
もう一つの話は、西片のまちづくりです。あるNPOが出したレポートを読んで、なるほどと思ったのは、あそこは阿部家の、福山藩の中屋敷だったところが、明治に入って士族の 商法で分譲に変えました。そのレポートはなかなかおもしろいことが書いてあって、西片の町を今、上から見ると公園という形での緑は旧阿部公園、今の西片公園しかない。
今、あの規模の、西片町ぐらいのところをディベロッパーが開発をすると、恐らくもっと緑をつくるでしょうという指摘のレポートでした。なるほどという気もします。そのとき そのときで、まちづくりの仕方は巡っていて、西片も、もっと緑を増やしても、もしかしたらいいのかもしれません。ただ、今からあそこにもう1回大きなディベロッパーを入れる ということは現実的にはあり得ないでしょう。まちづくりとはそういう、いろんな歴史の折り重ねで、今日に至っているので、ただ今のままや、過去に歯車を戻すという議論だけ ではなく、時代は必ず前にしか進みませんから、進めていく中でどのように、文京区らしいまちづくりをしていくのかという議論を、本日を一つの出発点にして、これからも皆さ んと、していくことができればと思います。
今日は限られた時間ですが、ご参加いただいたことに心から感謝して、締めのごあいさつといたします。どうもありがとうございました。

[広報課長]
これをもちまして、本日の会合を散会させていただきます。どうもありがとうございました。----(文責:藤原)

――了――