歌劇「輝きの果て」のあらすじ

それは、「ウタヨミ」が生きていた時代の物語。すぐ近くまで戦争の気配が近付き、不穏な日々が続いていた時代の物語。
ある晩、酒場に怪我を負った男が飛び込んで来た。怪我の手当をする酒場の女主人は、この男が伝説の「ウタヨミ」である
ことを知る。かつて平和だった時代には「ウタヨミ」は時代の寵児であり、ヒーローであった。しかし戦争の影が濃くに
なるにつれ、「ウタヨミ」は減少し、最近では見かけなくなっていた。噂を聞き付けた町の人々が「ウタヨミ」を一目見
ようと押し掛け、店は大騒ぎとなる。その時、突然窓の外で閃光が煌めいた。隣町で「何かが起こった」らしい。そこへ
治安部隊を名乗る軍人がやって来る。しかし彼等は実は、「ウタヨミ」を探しに来たテロリストだった。年老いた「ウタ
ヨミ」は酒場の女主人や町の人を救う為に、「人生最後のウタを詠む」決心をする。そして立場を失った仲間のテロリスト
に撃たれてしまう。瀕死の「ウタヨミ」は、「死の灰」がせまる街から皆を逃がした後荒れた大地に花を植え、そばに横た
わる。(公演プログラムより)