第4回定例会本会議(2012年11月21日)の代表質問傍聴記
香川 ヒサ

区民クラブ(前・民主)の渡辺氏による代表質問の傍聴感想を記します。渡辺氏は代表質問に当たり次の5項目を質問いたしました。

1・来年度予算について
2・児童の放課後居場所対策について
3・在宅医療支援について
4・根津・千駄木下町づくりについて
5・移動教室山村体験活動について

私は“4・下町づくり”に関心があり傍聴をいたしました。渡辺区議は千駄木住民でもあり、近頃「谷根千」と称されて、名の知れた この地域に関して、どのような鋭い質問や有意義な提言があるやと期待いたしました。

一言で言えば期待はずれ。質問も元日に新聞と共に配布された区議会便りに要旨として載せられているくらいのものでしかない。

根津は平成21年度「まちづくり」について、地域区民が参画したワークショップを、日本一といわれているパシフィックコンサルタント のもとで行われ、「42条2項道路を解消し、共同での高層耐震耐火のまちづくり」を謳った報告が為されている。

それに続き、千駄木で22年度には新宿のコンサルタント・昭和の下で、やはり地域住民参画の、まちづくりワークショップが行われました。

この年度は翌年3・11の大震災のため最後に予定されていた3月18日(だったと記憶)年度末最後のワークショップが流会となりましたが、 報告はパシコン同様、耐震・防火構造による防災のまちづくり・共同高層により生じる空間で42条2項道路の解消というものです。

私は千駄木地区に家を持っていますので、こちらに出席しておりましたが出席者からは防災の検知は大切でもあるが、谷根千の景観・雰囲気 を大切に活かしたまちづくりをとか、路地文化、長屋文化を活かせ。道路は自動車を通さなくてもよい、人がゆっくりゆったり歩ければよい。 ホースや担架は運び込めというような意見が沢山、出された。

これらの意見が繰り返し各会ごとに出されたためか、根津との違いは、たった一行だが「私道の路地は残す」と記されている。

4回ほど私は出席したがこの間、住民でもある渡辺区議は一度も出席していない。

今回の代表質問は「景観づくり」で「まちづくり」ではないとの反論があるかもしれないが、まちづくりをふまえての景観づくり でもあると考えております。常日頃、住民の声を聞いていれば「景観という切り口からの区民参画ワークショップの進捗状況や課題を」 といった様子質問よりもっと、適切な提言や発言が出来るはずだと私は思う。

また渡辺氏は住民と区とのパートナーシップのモデルケースの位置付けと発言しているが、住民と区は常に協同協治のパートナーではなかったのか。

区長答弁では、全国に知られている「谷根千」の地域は観光振興と地域活性化を図るとあり、あまり具体的なこれからは見えなかった。

台東区では「谷根千」の一翼でもある谷中は部分的でもあるが、42条2項道路を独自で認めたいわゆる”特区”に指定しており、 ふるい家並の保存に力を入れている。このまちづくりを担当したのが、なんと文京区の「谷根千工房」です。 とにかく文京区のまちづくりは「わくわくしたい。楽しく皆でやってみよう!」という気分は起こらない。

どうでもいいような報告なら1月1日の区議会だよりで。発言・答弁の詳細なら区のホームページで。

期待外れの消化不良を伴った傍聴でした。