「都市計画審議会」傍聴記
香川 ヒサ

 昨年12月21日に行われた「第2回 絶対高さ制限を定める高度地区の指定(第2次素案)」を審議する文京区都市計画審議会を傍聴してきました。 都合で30分ほど終わりのほうを傍聴できませんでしたので、私が傍聴した範囲での感想を記させていただきます。

資料は審議するための通常的な資料(資料1及び 資料2)のほか、「第1次 素案」に関する説明会(昨9月に5回行われた)他などで寄せられた意見・ 要望等とそれらへの回答の要約(資料3)の2種類です。

事務局(区側)の早口の説明の後、審議が始まりましたが、この資料は我々素人では全て理解するのは難しい。建築基準法をはじめ、都市マスター プラン・景観その他も絡み、当然の建蔽率・斜線制限(隣地・道路)・容積率・住居指定地・特例指定地その他もろもろで専門家でもなければ、 なぜその地域がその高さに指定されたか理解できないでしょう。審議に加わっている議員もわれら素人同然、理解していないように感じました。

口火を切った区民(旧・民主)の発言も要領を得ない。次に何度も挙手をし熱心に発言した市民派の区議も、専門家に指導を受けたらしいが内容を ご自身の中で理解し切れていなかったようです。ですがこの区議が「専門家の指摘によると・・・・・・・」などという発言に対し、事務局(区) 側は質問の内容を問いたり、答える代わりに「専門家とはどういう人を言うのか」など揚げ足取り的な受け答え。

私の時間がきたので、残念ながら30分を残し退室をしてしまいましたが、傍聴していた1時間半の間はこの二人の質疑しかなかった。区議の委員 には10日ほど前に資料は渡されているはずなので、よく読みこんで、ご自身がわからない事・疑問に思った事を発言して下さればいいと思う。 それて事前に時間があれば”専門家”の意見も聞くのも良いでしょう。審議委員なのだからそれくらいはやってほしい。

2月に第1素案を訂正した第2素案を新聞折込で各戸に配布するそうです。それに意見を寄せるためのはがきが付いているので、ご意見ご希望はそれで 寄せて下さいとは区の意向です。しかし、第1素案に対する意見・要望はかなりの数寄せられているのに、個人の意見として要約はされていても、 それだけで第1素案の高さは訂正されていません。地域ぐるみで、「この地域は」という要望を文書ではっきりと示さないと、このままになってしまうようです。

私の属している地域、本郷5丁目町会は5年ほど前赤門脇に24階の高層マンションが建てられることを知り、近隣の町会と連携をして反対運動をいた しました。区議会でも全会派が同調してくれ、要請書を議決して下さいました。今回の絶対高さ制限説明会でも、意見を述べてきました。 ですから町会長はじめ、町民は第1素案は訂正されていると思っていたようです。しかし、第2回素案では訂正されてなく、第1次素案のまま、 本郷通りに面して46m。住宅地22メートル。中間のバッファゾーン31メートルと表示されております。つまり、赤門マンション問題は赤門 マンション問題であり、素案説明会は説明会であり、地域の絶対高さ制限問題とは別なのです。アレはアレ、コレはコレなのです。ですから、 地域で強力に、希望高さを文書等で強力に申し入れなければなりません。

素人なりの私の感想では、「絶対高さ制限」を高く設定しておくことで、「高さ制限内」ということで、建築紛争を少なくしようという魂胆のような 気がしてならない。自分の町を守るためにも、個々に意見を寄せるだけでなく、地域で強力にまちづくりの高さを設定申し出て下さい。