第1幕 パブティスタ家の屋敷の前
ルーセンシオがビアンカヘの想いを歌にしている。すると扉が開いて、バブティスタ家の召使いたちが飛び出してくる。
彼らはカタリーネの横暴ぶりに「もう我慢できない」と歌うが、バブティスタが金とブドウ酒でつると、屋敷へ戻っていく。
辺りが静かになると、ルーセンシオは再び歌いだす。同じくビアンカに想いを寄せるホルテンシオが、楽士たちを引き連れ
てやって来る。2人は言い争いになり、バブティスタが「姉のカタリーネが結婚するまで、ビアンカの結婚はなしだ!」と
宣言する。ルーセンシオとホルテンシオはそれぞれ、ビアンカの家庭教師となって、屋敷に入り込むことを思いつく。
そこヘぺトルーキオがやって来て、旧友ホルテンシオと再会する。ホルテンシオからカタリーネの話を聞いたペトルーキオは、
「おれがカタリーネを馴らしてみせる!」と言って、カタリーネの元へと向かう。
第2幕 バブティスタ邸の部屋
カタリーネとビアンカが朝の支度をしている。カタリーネは家政婦を叱り飛ばし、興奮して「私は自由気ままに過ごすのよ」
と歌っていると、外からペトルーキオたちの声が聞こえてくる。バブティスタとベトルーキオ、家庭教師に変装したルーセン
シオとホルテンシオが登場し、ベトルーキオはバブティスタに、「西風のように穏やかな掛こしてみせます」とカタリーネとの
結婚を申し出る。カタリーネの前にベトルーキオが現れ、「あなたは、私の妻になるしかありません」と言ってキスするが、
カタリーネは彼を突き放す。心配でたまらないバブティスタがペトルーキオに様子を聞くと、ペトルーキオは「次の月曜日には
結婚式です!」と答える。
第3幕 バブティスタ邸の大広間
2人の結婚を祝うために美しく着飾った人々が訪れるが、バブティスタに「肝心の花婿がここにいない」と言われて帰っていく。
部屋では2人の家庭教師がビアンカに授業をしているが、ホルテンシオが作った音階の歌はビアンカの気に入らず、傷ついたホル
テンシオは「今日のうちにこの屋敷を去ろう」と言って出て行く。すると、ついに花婿ペトルーキオが到着する。ペトルーキオは
毛むくじゃらの上着をまとい、とてつもない格好をしている。一同はベトルーキオのそのすごい身なりに驚くが、彼はお構いなし
にカタリーネを教会へ連れて行く。
家令、家政婦とともに召使いたちが忙しそうに動き回り、結婚パーティーの準備をしている。そこヘホルテンシオが教会から
戻ってきて、結婚式の様子を話して聞かせる。バブティスター家とルーセンシオ、ペトルーキオも戻ってくるが、ベトルーキオは
「今すぐ出発しなければならない」と言う。カタリーネは「どうかここに残ってください」と懇願するが、ベトルーキオは聞き入
れず、彼女を連れて去っていく。
第4幕 ベトルーキオの別荘
グルーミオと召使いたちが新婚の2人のことを噂している。一方、カタリーネとベトルーキオは食卓につくが、ベトルーキオは
召使いを怒鳴りちらし、出て行ってしまう。1人になったカタリーネは、ペトルーキオのことを考えて、思い悩む。仕立屋がやって
きて、カタリーネに帽子や衣装を勧めるが、ベトルーキオは仕立屋にも罵声を浴びせ、追い出してしまう。2人きりになると、カタ
リーネは「私はかつての私ではありません。あなたを愛しています」と言って床に崩れ落ちる。ペトルーキオは愛情を込めて彼女を
かかえ、「荒っぽいいたずらは終わりにしよう」と胸に拍きしめ、2人は愛の喜びを歌う。バブティスタ、ビアンカ、ルーセンシオ、
ホルテンシオと新婚の妻がやってくる。ビアンカは幸せそうな姉を見て驚き、カタリーネとベトルーキオは微笑み合う。2人の結婚
を祝う人々が訪れて、喜びの合唱のうちに幕を閉じる。(公演プログラムより)