国立市議会傍聴記(文京区議会との比較)
池田 正子

私は3月2日(土曜日)国立市の市議会を傍聴してまいりました。

国立市議会では「市民に開かれた議会」として、通常は平日だけの議会だったので、一般市民が傍聴に来易い土曜日に 初めて開催しました。確かに傍聴席は50人ぐらいの座席があり、殆んど一杯でした。議員さんに聞いたら、いつもと大違いで、 大勢の傍聴人に議員の皆さんは緊張していたそうです。

3月2日の議会は2013年度市長の施政方針に対する各会派からの質疑応答でした。

ここで文京区の議会と違うのは、すべての会派から一人の議員に質疑をする権利(義務)があることです。ただし、持ち時間は会派の人数によって違います。 持ち時間=基本時間10分+(会派人数ー1)×5 分です。国立市議会議員12会派あるうち殆んどの会派は持ち時間10分でしたが、 共産党と公明党、生活者ネットが20分、自民党が30分でした。12会派(12人)は自分に与えられた持ち時間のうち、約半分で市長に 「質問」し、市長が答弁をします。その答弁に意見、疑問があれば、其の議員の持ち時間内で市長に質問できます。 それぞれの会派は厳格に時間を守り、10時から午後2時まで(昼直のために1時間休憩)3時間で12人が質疑し、市長が答弁おこないました。 質疑をする議員は自分の原稿を読む人もいますが、答弁する市長はメモを見る様子はありましたが、原稿を読むことは全くありませんでした。 質疑した議員に向かって、自分の言葉で話し、その答弁に対して、更に議員は持ち時間内で質疑があれば議員席戻った自分の席から質疑し、 市長が回答していました。

昼休みに議員と少しお話したら、市長は就任してから2年が過ぎようとしているが、最初の年から比べると格段に答弁が上手くなったそうで、 しっかり回答していると、彼らも認めていました。

議員に質疑の原稿について尋ねたら、事前に質疑原稿を提出するが、提出してから主旨は変えないが文章の校正は当たり前だそうです。

私が文京区議会を傍聴して、一番がっかりしたことは、区長の答弁でした。ひたすら用意した回答用の原稿を読み、その回答に対して、 更に議員が質疑することなく、読みっぱなし。原稿を読むだけなら、代理の人でもできそうな印象でした。

そういう文京区の区議会を傍聴した後に国立市の市議会を傍聴してきて、本来あるべき姿の議会が行われていることを知り、安堵するとともに、 文京区のやり方に疑問を深めました。他の区議会を知りませんが、もう少し文京区長に「自分の言葉で答弁」して欲しいし、議員さんも更に 質疑する必要は無いのかどうか、禁じられているとしたら、どうしてなのか知りたいと思った次第です。

手話については、文京区では常時手話が対応されていますが、国立市では要望があったときのみだそうです。

他の議会を傍聴してきて、感想を書かせていただきました。