(2)弁明書5(4)において、請求人の主張は根拠がないとしているがそれに対し反論する。連担建築物設計制度の認定基準における運用方針こ
反していると主張するものである。
様々な建築紛争が生じていることから、国土交通省住宅局は平成17年3月「住宅・建築物整備事業に係る景観形成ガイドライン」を設けている。
ガイドラインの位置づけに「良好な景観の形成は、事業地区における景観の現状や地方公共団体等における景観形成に関する計画や施策、地区住民等
の景観やまちづくりに関する活動状況等を踏まえ、それぞれの地域ごとに適切に行われるべきものであり、建築物の形態意匠、高さ、壁面の位置、
敷地面積等については、必要に応じ景観法や都市計画法、建築基準法等に基づく公法上の規制として適正な制限が行われることが重要である」とあり、
さらに構想段階〜基本設計段階の@事業地区における景観の現状及び関連する計画・施策等の把握の中に連担建築物設計制度が含まれている。 、て臥必事に応じよl汝や称市軒ず臥機軸軽重海ぞ轟捷よ磨義
そして「景観は地域固有のものであり、事業地区及びその周辺の景観やまちづくりに対すろ地区住民等の意向を適切に反映することが重要である
ことから・・・・」とある。国がこのようなガイドラインを示している以上、運用方針に記載される「良好な市街地環境に寄与し・・・」を無視して、
単純に建ぺい率や容積率だけで認定基準を決定していることは、建築主側にだけ利益のある間違った認定を行っていると言わざるを得ない。
(3)弁明書5(5)において、「既存杭の使用有無に関して基準が存在せす、本件処分とは、直接関係が無い。」とあるが、反論する。
基準が存在しないということは、不文律ではないか。元より構造計算の必要な建築物が、既存の建築物の一部を転用することなど論外である。
さらに既存杭とされた物は一度も検査を受けず建築確認を取り止めている。又設計者も以前とは代わっており、この既存杭はあくまで地中障害物
である。もしこの問題が通用するなら、資料さえそろえば旧建築物の構造体がいくらでも転用でき、危険な建築物が乱立してしまう。
不文律の例あげると、建築基準法では階段は条件(5階以上)により避難階段以上を設けなければならないとあるが、4階以下は階段を設けな
ければならないと明記していない。「設けた階段は」といった記述があり、細かい規定がある。これを曲解して、階段を設けずはしごだけで申請
した設計者が過去にいたが、却下されている。却下の理由が「不文律である」となっている。このような例は多々あるのではないか。
上記のことからも、東京都は合議上同様の事例として、基準が存在せずと逃げるのではなく打設された物は、既存杭とも証明されていない
単なる地中障害物であり、この上にマンションを建設する計画そのものを却下すべきである。
(4)弁明書5(6)において、「平成23年4月に仮使用の追加がなされ・・・」とあることに反論及び強い抗議をする。
この地区が、すでに4年以上も近隣住民と建築主で紛争がおきていることを、東京都は周知している。さらに仮使用の追加を提出した時点では
事実上、あっせん調停の継続中であった。
それにもかかわらす、新たな避難通路として使用を認めたところは、東京都の建物である、「社会福祉保健医療研修センター」内の庭を通る形に
なっている(甲第1号証)。これは、近隣住民の感情をひどく傷つけ、精神的苦痛を与えるものである。
安全条例上、仮使用であっても当事者の敷地の中で通路を設けるべきであり、このように隣地を通る避難通路はあり得ない。通路の土地を
借りる、あるいは買う場合も、連担の面積が変更されねばならない。避難通路は道路、広場、公園などに有効に通じること、障害物(植栽)が
あってはならないし、この避難通路は貧弱な階段や橋状のもので、幅も不足している。
本来、住民を守る立場の行政側が、紛争を承知の上しかも建築主の不備を補う形で都の施設を利用させることは、「東京都中高層建築物の
建築に係る紛争の予防と調整に関する条例」の第一条(目的)のうち、「良好な近隣関係を保持し、もつて地域における健全な生活環境の
推持及び向上に資することを目的とする。」および第三条(知事の責務「知事は、紛争を未然こ防止するよう努めるとともに、紛争が生じたとき
は、迅速かつ適正に調整するよう努めなければならない。」に違反している。
(5)弁明5(7)において「本建築の敷地は、第二種住居地域及び商業地域内に存在し、建築基準法第48条第6項及び第9条で定める建築をして
はならない建築物別表第2(へ)(り)に該当しない」としていることに反論する。
審査請求書に添付した甲第2号証5,6頁をよく見ていただきたい。用途が商業地域と第2種住居地域に分かれている。この場合、
C敷地のみで商業地域部分と第2種住居地域を計算し、過半が商業地域都市とし50平方メートル以上の整備工場を許可している可能性を問題にし
なくてはならない。
現状敷地面積の合計は、3,701.98平方メートルでこの内商業地域の占める面積は1,400平方メートル前後で38パ−セント程度に過ぎな。全体として
の用途地域は前述のごとく過半を占める第2種住居地域である。
ところが、この計画はこの問題をC敷地に限って適用していると思われる。申請書によるとC敷地1,385.62平方メートルで、内訳は概算で商業地域部分
が783平方メートル、第2種住居地域は602.62平方メートルであり、C敷地だけを考えれば、これで合法なっている。しかし、連担建築設計制度をもって、
この敷地を通常に一敷地としてあつかえば、50平方メートル以上の工場を設置するためこ、第2種住居地域部分から適切なな面積を除外し、過半を
商業地域にしなければならない。本来連担建築設計制度の発想は、容積の相互の融通のみであり、用途制限の解除をすナるべきではないと考える。
一敷地として連担制度を適用するなら、この敷地の用途は過半を占める第2種住居地域であり、50平方メートル以上の工場は違法である。しかも
一敷地であるとするから、相互の第3種高度地区の運用や道路の設置が免除されているのである。
さらに、建築基準法別表第2(へ)に第2種住居地域内に建築してはならない項目の(四)に300平方メートル以上の自動車車庫が規定されている
(但し、政令で定めているものを除く)。一方、共同住宅で駐車場の設置を定めている部分は合法であると述べている。従ってB敷地とC敷地の共同
住宅部分の駐車場は合法であるが、
しかしながら
@A敷地のレクサス販売店の駐車場は政令で定められでいない。
AC敷地の計画では、地下駐車場の入口は二ヵ所に分かれているが、そのうちの一ヵ所は「駐車場 整備工場入口」とあり、政令設置義務ではな
い駐車場である。
C敷地の共同住宅用駐車場以外の駐車場の面積は、1階、地下1階、地下2階の合計が、おおよそ484平方メートルとなる。
A敷地の「自動車車庫等の部分」としているのは、300.62平方メートルであるから、C敷地とA敷地における駐車場は合わせて、784.62平方メートル
となり、一敷地で過半を占める用途である第2種住居地域の上限300平方メートルを大幅に超えている。
連担建築設計制度の発想は、一敷地内で合計の容積計算内での相互の計算で、敷地全体の容積限度を超えていない。一敷地という考えであるからこそ
B敷地は、A敷地境界線からの第3種高度地区の制限と前面の道路状の通路からの道路斜線制限及び第3種高度地区の制限をうけていない。従って、本来
300平方メートル以内に制限された駐車場面積を、A、B、Cに敷地を分割して都合よく制限を逃れるのは言語道断である。この場合敷地
の分割は容積計算、斜線制限の除外のみに限るのは当然である。
このような手法が通用するなら、今後連担制度が悪用され、本来ならば建築できない駐車場や工場等の建築計画が増加してしまうだろう。
重ねて述べるが、この計画を遂行するならば、この敷地の第2種住居地域の一部を合法的に除外し、過半を商業地域として連担制度を適用すべきである。
A敷地のレクサス販売店はA敷地のみに限った確認申請では合法であった。過半が商業地域であったからである。しかしA、B、C3敷地をあわせた
時点で過半が第2種住居地城となり、前述したように駐車場の制限300平方メートルを超過し、禁止とされる50平方メートル以上の工場をもった違反建築物
となってしまうのである。又、A敷地のレクサス販売店の駐車場は禁止事項の3階以上になるので、これも含めて違法である。
(6)審査請求書で、建築主が再三にわたり近隣住民に虚偽の説明をしてきたことを訴えたが、「不知」の回答は甚だ遺憾である。「東京都中高層建築物の
建築に係る紛争の予防と調整に関する条例」 第四条の2「建築主及び近隣関係住民は、紛争が生じたときは、相互の立場を尊重し、互譲の精神をもって、
自主的に解決するよう努めなければならない。」とある。近隣住民は、建築そのものに反対していろのではなく、この地区において極端に高い
22階をやめて、この地区の高さ(15階程度)に合わせてほしいと建築主に申し入れをしてきた。しかし建築主はまったく譲歩しないばかりか、
申請に当たり住民との約束を破る行為(審査請求書に記載)をした上、さらに弁明書3、処分に係る建築計画の概要及び本件処分に至るまでの経緯
(1)建築計画の概要 イ エ事種別 増築とあることを知り、さらなる虚偽行為を繰り返していることを訴えたい。
建築主は処分後直ぐにエ事を始めているが、近隣住民に対し「新築工事」とうたっている(甲第2号証)ことである。1年以上放置した打設杭
は、地中障害物以外の何物でもない上、それを再利用という形で強引に建築を再開し、あろうことか新築というのであれば、「住宅の品質確保の促進
等に関する法律」第2条の2「この法律において新築住宅とは、新たに建設された住宅で、まだ人の居住用に供したことのないもの(新築工事の完了の日
から起算して1年を経過したものを除く)をいう。」に違反する物件となる。もし新築としたいのであれば、基礎工事からやり直すべきで、このような
申請を認める処分がなされることはないはずである。このように今後さらなる紛争の火種を持つ建築物の認可処分は取り消さなくてはならない。
以上のように東京都の弁明書の主張には異議があり、ここに反論書を提出し改めて本建築物こ対する処分の取り消しを求める。
2 証拠書類等添付書類
甲第1号証 東京都社会福祉保健医療センターに設けられた避難路の出口の写真
甲第2号証 建築主が近隣住民に対して「新築」と説明している証拠