2014.09.11..藤原美佐子 

都営三田線春日駅エレベーター

●2013年4月に、三田線春日駅の白山通り歩道上の入り口のエレベーター工事が終わり、間もなく供 用が開始されました。当初、地上から車椅子でそのままホームに行ける「アナザーワンルート確保」を 期待しましたが、エレベーターは下りと上りのホームの下をくぐる連絡通路部分のみで、地上とはつな がっていないことがわかりました。春日駅のワンルートは、あくまでシビックセンターの郵便局横のエ レベーターを利用し、大江戸線側から三田線に回るしかない、と車椅子利用者からがっかりする声が聞 かれ、どうして地上のエレペーター乗降口を設置できなかったのか東京都交通局に聞きました。

●それによると、用地の確保が難しかったとのこと。「地上までの延伸を模索したが今の位置では用地 が不足し構造上難しかった」のだそうです。もともと春日・後楽園駅前地区の再開発で公益の筆頭にあ げられていた地下鉄4線の結節の利便性の中にバリアフリー化があったので、二度手間の経費を節減す るために再開発が終わる2017年(当時は2017年と言っていた)を待つということなのかと考えまし たが、そうではなかったようです。

●しかし、要望が多かったので、東京都交通局は当時の猪瀬知事の打ち出した都営地下鉄と東京メトロ との一体化の実現も盛り込んだ「経営計画2013」で、2016年度以降の実施として、昨年度改めて白山 通り沿いの他の位置で用地確保をめざすことになりました。 ( 東京都交通局 経営計画 2013、50頁「再掲 バリアフリー化の 推進」参照)

●そして2014年6月、都道白山通りあおい書店春日店前の歩道上に用地が決まり、2016年以降工事が 開始されることになりました。春日駅の北側に住んでいる方にとっては朗報です。しかし、2016年度 すぐに工事を開始しても春日再開発工事とバッティングすることも考えられ、結局再開発事業の完成と 同時くらいになることもあり得ます。車椅子の利用者が10年も待たされていることを考えると、あま りに遅いと言わざるをえません。

●ところで、7月15日に白山通りで道路陥没事故がありました。東京都建設局と第6建設事務所で調 査をしていましたが、原因は不明ですが空洞などはないことが確認でき、来年度以降周辺道路の工事が 終わったら本工事をするとのことです。これについても再開発や地下鉄エレベーター工事と重なる可能 性があり、融通しあうとやはり完成はいつになると言えないとのこと。東京の道路は老朽化した上下水 道管の取り換えなどひっきりなしに工事をしていますが、インフラの老朽化を縫ってのバリアフリー化 は大変な困難を伴うものだということがわかります。