「ナクソス島のアリアドネ」のあらすじ:

前半のプロローグでは、劇中劇上演の舞台裏の様子が描かれている。時は、18世紀のウィーン。 場所は、ある金持ちの邸宅の大広間。その夜、「アリアドネ伝説」に基づく新作のオペラセリア 「ナクソス島のアリアドネ」の上演が予定されている。オペラ終了後に、 道化の歌や踊りからなるオペラブッファが上演されるときいて音楽教師は困惑し、執事に強く抗議するが、 彼は報酬はちゃんと支払うからと取り合わない。反目するオペラ歌手と喜劇役者の混乱の中、今度は当家の主人から、 この悲劇と喜劇をいっしょに上演するようにとの命令が入り、一同騒然とする。作曲家は、いったんこれを拒否するが、 女優で踊り子のツェルビネッタの言葉巧みな説得と彼女の美しさに魅了され、結局、上演に乗り気になり、 音楽教師と準備にかかる。上演開始の直前には、作曲家は、やはり神聖な芸術を汚すようなことはすべきでなかったと後悔するが、 後の祭りである。
後半では、「ナクソス島のアリアドネ」が劇中劇ように上演される。夫テセウスにギリシアの孤島ナクソス島に捨て去られた アリアドネは、嘆き悲しんで死を望んでいる。3人のニンフが慰めている。そこにツェルビネッタと道化役者たちが現れて、 歌ったり踊ったりして、彼女を慰めるが、効果が無い。そこにトランペットが響き、若い神バッカスが登場する。 アリアドネはバッカスを死の神だと思い込む。バッカスもアリアドネの美しさに驚き、魔女かとも思う。しかし、 その美しさと純粋さに感動したバッカスが彼女に接吻すると、アリアドネの死への憧れが生きる希望へと変わり、 新しい愛が生まれる。