≪シンデレラ≫のあらすし

第一幕≪シンデレラの継母の家の台所≫  シンデレラは家事に明け暮れている。継母のボンネットに飾り付けをしながらも、いつしか疲 労困憊で寝てしまう。夢の中で天使達と実母の幻が現れ、「あなたが泣くのは今日が最後よ」と 告げる。そこへ継母、ピッツィキーナ、ヴァネレッラ姉妹が登場し、いつものシンデレラいじめが 始まる。今晩の舞踏会にお前のような灰かぶり(シンデレラ)は笑い者になるから連れて行かない と去っていく。シンデレラが気落ちしているところへ妖精が登場し、魔法の力で彼女にドレスとガ ラスの靴を贈り、魔法は12時になったら解けるので必ず帰るように約束させ、宮殿へと出発する。 第二幕≪宮殿≫  王と王妃は微笑む事を忘れた王子を案じ、元気付けようと舞踏会を開催。ルビーノ王子は、今は 気力を失いパッリド(蒼白い)と呼ばれている事を嘆く。舞踏会に遅刻した継母と姉妹はシンデレラ の所為だと憤慨している。ルビーノ王子は、三人にイゾラモルタ大使が王子だと思い込ませて、その 場を逃れる。そこヘシンデレラが登場。皆は一斉にその気品漂う美しさに目を奪われる。王子はシン デレラこそ長年探し求めていた女性だと想い、人払いをする。二人は互いに惹かれあっていき、王子 は微笑みを取り戻す。そこへ時刻を知らせる鐘がなり、シンデレラは急いでその場を後にするが靴の 片方が脱げてしまい王子の手に残る。あまりの急な出来事に王子は唖然とし、微笑が涙に変わるとい って幕となる。 第三幕   第一場 ≪継母の家の前の中庭≫  シンデレラは昨夜の舞踏会の事を想い起こしている。そこへ、王室の広報官が現れ、舞踏会で 残されたガラスの靴が履けた者は正式な王位継承者の妻となり領土を分け与えると布告する。 継母、姉妹の三人は興味津々に広報官に詰め寄るが、自らの足の大きさを残念がり、仲違いを 起こす。シンデレラの足が小さい事に気づいた三人は物置にシンデレラを閉じ込める。  第二場 ≪宮殿の会議室≫  王室に仕える賢者達は靴の持ち主が見つからないので疲れ果てている。靴合わせが続く中、継母、 姉妹の三人が乱入。ピッツィキーナの順番になった際に靴に足が入ってしまうが、足の指を切り落と していたため、あまりの痛さでその場に崩れ落ちる。同じく、ヴァネレッラも靴を履くが、ピッツィ キーナ同様、痛みで倒れる。王子は国民台帳を見直し、まだ靴合わせをしていないヴィオレッタという 名前を見つける。村の娘達に彼女を知らないかと問うと、ピーア家で灰かぶり(シンデレラ)と呼ば れている娘だと答える。継母に宮廷道化師が、彼女の居場所を訪ねると「死んだ」と答える。村の娘 達が今朝も会ったというので、ヴァネレッラに再度問うと、彼女は「足がないのでここに来られない」 と答える。嘘だと見抜いた宮廷道化師は、直ぐにシンデレラの家へと向かい、物置に監禁されていた 彼女を助け出す。王子自ら彼女に靴を履かせると見事にピッタリ。王と王妃が両人に王冠を授け、皆 の祝福の中、幕となる。(公演プログラム「あらすじ」の抜粋)