<「イル・カンピエッロ」のあらすじ>

設定: 18世紀半ば。場所は、ヴェネチアの小さな広場。一隅に愛想は良いが浪費家で女好きのナポリの紳士アストルフィ(バリトン)が滞在している宿がある。 旅館周辺の家屋には、男や夫を探し求めている独身女性が多数住んでいる。ガスパリーナ(ソプラノ)は、やはりナポリ人で堅苦しい叔父のファブリツィオ (バリトン)と一緒に住んでいる少々気取り屋でうぬぼれもある若い女性である。ルシエータ(ソプラノ)は、アンゾレ-ト(バス)という名の小間物商と恋仲 の若い美人である。彼女は母親のドナ・カーテ(テノール)と一緒に住んでいる。ルシエータのライバルは母ドナ・ パスクア(テノール) と一緒に住んでいるニェーゼ(ソプラノ)という名のやはり魅力的な女の子である。この母親2人は男性が演じるコミカルな役である。ニェーゼはゾルゼート という男の子と恋仲になっている。彼はまた、母親オルゾーラ(メゾソプラノ)と共にこの広場に住んでいる。

第一幕: 最初にガスパリーナ、次いでアストルフィが登場し、互いに関心を示し挨拶する。次に ルシエータが入ってくるが、アンゾレートが遅れているため、 イライラしている。アストルフィは彼女とふざけあっている。 アンゾレトが雑貨を売り歩きなが現れる。見知らぬ男が ルシエータにプレゼントしようとしたので、アンゾレートは嫉妬する。 ニェーゼが現れ、針や糸を購入したいと思い、アンゾレートを呼び止める。これをみて ルシエータが怒る。 アストルフィもニェーゼに何か買ってやろうとする!彼は多くの美人が一箇所集まっているのをみて喜んでいる。アンゾレートがニェーゼと 一緒にいる間に、アストルフィは改めてルシエータへの関心もつが、ここで彼女の母親ドナ・カーテに出会う。彼は彼女にリングを買ってやろうとするが、彼女の 母親が巧みにこれを横取りしようとする。一方、ニェーゼは自分の買物の代金を彼が支払おうとするのを拒絶する。ドナ・パスクアとオルソラは、自分たちの子供 であるニェーゼとゾルゼートの将来の結婚について話合う。ルシエータとニェーゼが喧嘩しながら現れ、その後ゾルゼートが現れる。 アンゾレートはルシエータに 下心を抱いていることを否定しているアストルフィに食って掛かる。アンゾレートは出来るだけはやくルシエータと結婚すべきと決心し、彼女は喜ぶ。ガスパリーナ が再び現れ、今回はアストルフィが、彼女と付き合えるかどうかを知るために、彼女と長い会話をする。彼女は彼に希望を与える。

第二幕: ルシエータ、ニェーゼ、ゾルゼートとこの3人の親は、広場で騒々しいパーティーを催しており、ファブリーツィオが迷惑している。アンゾレートが来て、彼の指輪を ルシエータにプレゼントする。 アストルフィは、結婚式で媒酌人になり、 宿での夕食代を支払ことを申し出る! 彼はガスパリーナとファブリーツィオにも参加する ことを勧めるが、ファブリーツィオは拒否する。バレエ(ウェイトレス、乞食、ポレンタの行列)が続く。ガスパリーナはアストルフィに彼女の叔父の あきれた行動について語る。ちょうどその時、ファブリーツィオが登場し、アストルフィと対峙する。彼もまたナポリ人である。彼はアストルフィが誰で あるか、そして彼が破産していることを知っている! アストルフィはファブリーツィオを有名な宝くじの当選者として認識している!ファブリーツィオは、ガス パリーナと結婚したいと告げる - そして巨額の持参金を期待する!飲み会は広場に広がっているが、昂ぶった彼らは宿に戻る前に再び口論をはじめる。 ファブ リツィオは騒々しい広場を離れて住まいを他の場所に見つけようと決心した。 アストルフィは関心をガスパリーナに集中する一方、夕食の勘定書を手にしながらどう やってこれを支払うのかを気にしていたが、 パーティーは歌い踊りながら再び広場に雪崩れ込んだ。

第三幕: 引越し最中のファブリーツィオのところへアストルフィが来て、ガスパリーナと結婚したいと申し出る。ファブリーツィオはこの件は交渉の余地があると考え、 2人は詳細について話し合うためにその場を離れる。若い女性達が入ってくる。ルシエータはその日の晩(ニェーゼは2年以内)に嫁入りの予定である。 オルソラとルシエータは話をしながら退場する。アンゾレートはルシエータを探しに来たが、彼女がオルソラの家に行ったことに怒りを爆発させ、彼女が現れたとき、 彼女を叩く。ドナ・ケイトはもっと良い条件の婿を見つけることができること示唆し、怒ったアンゾレートは彼のリングを取り戻そうとするが、ルシエータは彼に返す ことを拒否する。彼女は彼が彼女を愛しているので、殴ったことを知っている。アンゾレートはそれはすべて彼のせいだとゾルゼートを責める。彼らは去るが、ニェーゼ はこの件についてゾルゼトに告げ口する。これを聞いてオルゾーラも驚く。ゾルゼートは、ドナ・カーテの邸宅に石を投げ、これが老婦人に当たったため大混乱となり、 アンゾレートとゾルゼトは互いに殺すぞと脅かし、ドナ・ケイトとドナ・パスクアは互いに相手を侮辱する。 アストルフィが登場し、彼らはすべて静かになるよう命じるとともに、彼らを夕食に誘う。彼とガスパリーナはその晩には結婚し、翌朝には出立の 予定である。 ガスパリーナは、キャストの主要メンバー及びヴェネツィアの街に最後の別れを告げる歌(さようなら愛しのヴェネツィア 'Bondi、Venezia cara')を歌う。皆もコーラス でこれに応え、幕となる。 (Wikipediaの和訳